第11話 魔法職の戦い方

 少し進んだ先に開けた空間があった。

 というかそこからたくさんの魔物の反応があるんだけど。

 どうやら奥にいるのはさっき会ったスケルトンに加えて、その上位種、スケルトンナイト、スケルトンウィザード、スケルトンアーチャーもいるみたい。

 ちなみにさっきのスケルトンも剣を持っていたが、あれは進化前のスケルトンがただ剣を持っているだけで動きは素人だが、スケルトンナイトは戦士職の冒険者と同じような戦い方をするらしい。

「さて、それじゃあわたしが魔法職の戦い方を見せるわね」

 え⁉この数を相手に戦うの⁉

「大丈夫なんですか?」

「心配すんな。アルメリアなら大丈夫だ」

 そうはいっても・・・

 でもアルメリアさんも問題ないというような顔で詠唱を始めた。

「『べオーガリオム』、『イェオライト』、『ティールセント』」

 それぞれ、隠密、身体能力強化、魔法威力上昇の魔法だ。

 魔法が発動されるとアルメリアさんの姿が見えなくなった。

「じゃあ行ってくるわね」

 アルメリアさんが魔物がいるほうへ行く足音が静かに響く。

 どうやって戦うんだろう。

 わたしとシュロさんは角からこっそりと覗き見る。

 すると何も気づいていない魔物たちのほうに向かって大きな声が響く。

「『ソウェールビア』!」

 魔物たちの上に大きな魔法陣が出現し、そこから光の矢が降り注ぐ。

 すごい魔法だけどさすがは上位種というべきか、スケルトンウィザードが障壁を出して防ぎ、スケルトンナイトとスケルトンアーチャーが警戒態勢をとった。

 しかしアルメリアさんの魔法は止まらない。

「『イサグイアス』!」

 魔物が氷に閉じ込められ身動きが取れなくなる。

 そこにアルメリアさんはさらに魔法をたたきこむ。

「『イングルティアス』!」

 身動きが取れなくなった魔物めがけて大きな火球が連続して飛び出し、大きな爆発が起こる。

 結局魔物は手も足も出ないまま討伐され、そこには一部が灰になった骨が残されていた。

 あの数を一瞬で・・・冒険者ってみんなこんなに強いのかな。

「これで終わりね。どうだったかしら?」

 アルメリアさんが姿を現してそう聞いてきた。

「こんなにあっさりと倒せてしまうなんてすごすぎます!」

「そう?ならよかった。魔法職はこんな感じであらかじめ準備ができる場合は自分に支援魔法を使って能力を上昇させるの。そして、相手の死角から魔法で攻めるの」

 なるほど。たしかに魔法職は一応魔法で防御ができるとはいえ本人の防御力は低いからなぁ。前で戦うとしたらスキを突く必要があるのか。

「ただ、今回は格下の魔物が相手だったからこういう戦い方が有効だったけど、賢い魔物や実力が自分以上の相手と戦うときはその時その時で戦い方が変わってくるわ」

 結局は臨機応変に戦うのが一番大切ってことだね。

「ま、戦って勝てないと判断したらすぐに逃げることだな。死んだら元も子もないからな」

「わかりました。ありがとうございます!」

「よし!ここで少し休憩してから先に進もうか!」

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