第9話 ダンジョンに行きます
集合場所の村の入り口に行くと、すでに二人は来ていた。
「お待たせしました!」
「お!来たな!よし、行こうか!」
村の周辺にダンジョンができたといってもあたりに魔物の姿は見えない。
そもそも人の住むところには弱い魔物の侵入くらいなら防ぐ結界が張られている。
とはいえその周辺にまでも魔物がほとんどいないなんて。
「ダンジョンが現れると冒険者も多くなるからな。魔物の討伐も増えるんだ」
へーそうなんだ。ダンジョンが出現したら魔物の数も増えるみたいだから討伐してくれる人が増えるのは助かるね。
でも魔物との実践の練習をするとしたら村からけっこう離れたところに行くかダンジョンに行かなきゃいけないのか。
しばらく歩いていたら石造りの古い建物のようなところにやってきた。
森の中にひっそりと存在していて一見ただの古い遺跡にしか見えない。
これがダンジョン?
試しに『賢者』の『知識の楽園』を使ってみる。
《風魔回廊》:ダンジョン
材質:魔法石
やっぱりこれがダンジョンなんだ。
というか魔法石?それってなんなんだろう?
《魔法石》:魔法によって作られた石。製作者を超える魔力でないと壊せない。
なるほど。てことはダンジョンは誰かに作られたものなのかな。
「どうかしたの?」
わたしが黙って考えているとアルメリアさんが心配して声をかけてきてくれた。
「ちょっと考え事をしていただけで、もう大丈夫です」
今は気にしなくてもいいか。
「そう?ならよかった。何かあったらすぐに言ってね」
「ありがとうございます」
その時、前を歩いていたシュロさんが後ろのわたしたちのほうを振り向いた。
「二人とも、これからダンジョンに入る。中は暗いだろうからアルメリア、照明を頼む」
「わかったわ」
そういうとアルメリアさんは短く詠唱をした。すると周囲に小さな光の球が一つ出現した。
火の玉かと思ったけど熱くはないな。ただ周りを明るくしているだけだ。
たしかこんな魔法が本に書いてあったはず。たしか・・・
「これは『パールブスケン』ですよね」
「そうよ。よく勉強してるのね」
えへへ。最近魔法の本をよく読んでいますから。
「そうよ、この魔法は攻撃性はないもののあたり照らしてくれるから暗いダンジョンの探索には必須なのよ」
「それってわたしにもできますか?」
「この前の感じからしてできるはずよ」
よし!じゃあやってみよう!魔力はもうほとんど回復したし。
どんな魔法かは今見たからいけるはず。
わたしはこの前と同じように『詠唱破棄』で魔法を発動させた。
「あ!できた!」
わたしの近くにも小さな光の球が出現した。
ちなみに今回は『魔法効果上昇』と『多重詠唱』は使用していない。また驚かさせちゃうかもしれないからね
「さすがね!一回でできちゃうなんて」
「よし!じゃあ行こう!」
「はい!」
わたしたちはダンジョンの中へと進んでいった。
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