第8話 またお願いします!
翌日、今日は定休日だから一日中戦いの練習をしようと思って、いろいろと準備をしていた。
その時、アルメリアさんとシュロさんがお店に駆け込んできた。
それもだいぶ勢いよく。
な、なんだろう?
「お願いがある!カルミア!」
え?お願い?
「ど、どうしました?」
走ってきたのか息を切らしているシュロさんの後ろからアルメリアさんが「それがね」と口を開いた。
「わたしたちこれからダンジョンに行くんだけど、そこは魔物の数が多くて二人だけだと荷が重くてね」
「それでどうしようかと思っていた時にカルミアのことを思い出したんだ」
は、はあ
シュロさんは手を合わせて頭を下げた。
「頼む!オレたちと一緒にダンジョンに挑んでくれ!」
は、はあ・・・って、えええええええ!!!わたし⁉
なんで⁉ほかにも冒険者はたくさんいるのに。
「実はほかの冒険者たちはみんな自分たちの攻略でいっぱいいっぱいでね。だれもわたしたちにかまっている暇がないのよ」
あー、例のダンジョンがたくさんできているってことと関係があるんだろうな。たぶんその攻略でほかの冒険者も忙しいんだろうな。
「それに知らない奴といきなりパーティーを組むのは場合によっては連携が取れずにかえって危険だからな」
そういうものなんだ。でも、それはなんとなくわかる気がするな。しらない人といきなり協力するなんて
「それにカルミアの実力ならダンジョンでもやっていけると思うのよ」
そういえば前に教えてもらった時そんなこと言ってくれたっけな。
「それでどうだ?オレたちと一緒にダンジョン攻略に行ってくれるか?もちろん報酬はちゃんと渡す」
とっくに答えは決まっている。むしろわたしのほうから言いに行こうと思っていたくらいなのだ。
「わたしもお二人にまた練習をつけてもらいたかったので願ってもないことです。むしろ行かせてください!」
私の返事を聞いた二人はぱあっと顔を明るくした。
「ありがとうね!」
「ありがとう!じゃあしばらく準備したら村の入り口に集合しよう。とはいえ食料などの絶対に必要なものはこっちで準備するからカルミアは自分に必要そうなものだけ持ってきてくれればいい」
「はい!ではまたあとで!」
二人は「あとで!」と言って店を後にした。
よし!私も準備しないと。
たしかこの辺の引き出しに・・・あ!あった!
わたしは最近買った薬を取り出した。
これは魔力回復薬。文字通り減った魔力を回復する薬。
これを使いながら・・・
わたしは『製本』で魔導書をまた一つ作成した。
ぐんぐん魔力が減っていくけど、たえず回復薬で魔力を回復させていくことでなんとか魔力切れにならずに作成することができた。
まだわずかに減ってはいるけどこれくらいならすぐに回復するでしょ。
作成したのは『探検家』の天稟の魔導書。
その能力は
①罠感知:仕掛けられた罠の位置がわかる
②地図作成:一度通った道を記憶し、地図として視覚化できる
③危険察知:周辺にいる敵対生物を察知できる
ダンジョンで使えるような天稟を作成したけど結構役に立つと思う。
あとは、回復薬をいくつかと・・・あ!あとあれも持っていってみようかな。
準備を終えたわたしはお店から駆け出した。
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