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あ、そうだ。どっかに自分の新品のシャツ類がここにあったが気がする。と贅沢で名残惜しいが私は新品のシャツを破り、ポーション用の瓶の口を塞ぎながら水を汲んだ。「え゛何をしているんですか!?!?」
「…シャツの布端をフィルム替わりにろ過しているんだけど…」
「いや!それどころじゃなくて!?シャツって……そんな高級な物を!?」
「いや、たかがシャツじゃん。わざわざ縫ってくれた新品だし。」「たかが……??」
と青ざめた顔で私のことを見る彼女を見て、思い出した。
自分が半生、島で暮らしていたこと知らないし
常識だと思っていることが非常識なんてあるもんな…
と相場だとか暗黙のルールだとか…と思いながら、
自分達は二人ががりでポトフを作りながら自分同士のことで語った。
「実は自分、田舎の生まれのもので都会での
相場だとか常識なんてものがまるで無いんですよね…」
「あ、そうだったんですね。ちなみに生まれはどこなんです??」
聞かれたよ、聞かれるとは思ったけど…
ここで黙っていても、彼女には損もないよね…
「内緒にしてくれればなんですけど。」「ええ、約束します。」
と彼女は好奇心を顔に出ているそんな目でこっちを見てきた。
別に自慢できるほどの島じゃないのにと逆に彼女の期待を裏切るのではないとこっちが悲しくなってきたが私は言った。
私はポトフを少し食べて落ち着いてから言った。
「トゥム諸島…女人禁制の島でそこから出てきた。」「え」
と言って彼女の顔は拍子抜けしたような悲しそうな顔をして私を見た。
そして口を開くのを辛そうにしながら、彼女はこういった。
「あの失礼かもしれませんが…薬剤師さんって女性なんですか??」
「まあ、そういうことになるね…」最近知ったばかりなんだけど。
「…内緒にしてほしいのはその島から出てきたってことですか??」
…私はあの島に少なからず恩を感じている、というよりも物心ついた頃から
あの島の風習として女人禁制だっていうことはわかっていたが…
自分でもそうではないかとは全く考えたことはなかった。
だから自分はあの島にまた泥を塗る理由には行かない。
それがたった一つ自分があの島に出来る恩返しだと思うから。
そう話すと微妙な表情で傾く彼女はあること気がついた、
「そういえば、私…薬剤師さんの名前を聞いたことなかった!!」
「あ、そっかまだ言っていなかった!!」
「私はエリゼ、エーデルワイス家に仕えるハウスメイド…見習いです」
「エーデルワイス家??」エリゼが言うにはここから真っ直ぐ行った場所にある所、人のいるところから離れた場所に屋敷がそうでそこから徒歩で来たという…
徒歩で歩けば、普通は軽く2日は掛かるそんな遠い場所にいた。
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