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リスタルト大陸……古い記述が多く残っている…この世界では指を数えるほどの
古い大陸だ。私のいた島の書庫にもその記述が載っている。
前世の記憶によれば、近代ヨーロッパの文化が深く根付いているかのような
雰囲気を持っている町並み。
リスタルト大陸の中心部 フェアリシティは蒸気機関が目立つように立ち並ぶ蒸気や歯車の機械……それを象徴するかのような時計塔…
田舎者である私から見ても分かるくらいのこの産業発展の輝かしさに
目がチカチカするような幻覚を感じてしまう。
時計塔から見た時計の針はもう夜中を過ぎている…
服でも買っておきたいがこの時間帯では店が開いているのは
せいぜい、飲食街程度だった。「さて、宿でも探しますか…」
しかし、時間も時間であるせいかほとんどが営業時間を過ぎているものばかりのせいかもしかしたら、野宿になるかもしれないと頭に過ぎった。そうするのであれば、この街から離れて、北西に向かえば普通に開けた土地に行けるのでは??とそう思い、
私は行動に出た途端、唐突に霧が濃く出現した。船で移動の際に雲の様子が
怪しかったのでそれの影響…なのか??
なんとか…うーんここで動いてもどう行動すれば、
運良くコンパスがあるから良いもののだからと言ってここの土地にも詳しいってことでもないし…
するとどこからか、叫ぶような泣きじゃくる声が聞こえてきた。
助けを求める声だったことはすぐに分かった。
私は慌てて駆け寄ると
そこにはまだ成人しても若い少女がカゴをもって立ちすくんでいた。
「どうしたの!!」「あ、あそこに自分の友人が…」「え??」
そこには人の形を認識するのにはあまりにも悲惨な姿をした人の姿が
横たわっていた。健全的な人であればショックを受けるほどの。
「……大丈夫??立てる??」と首を横に振りそうだろうなと思い、
私は彼女を横抱きし、その場から離れた。
その場から離れてからしばらく経ち、
霧はとっくの等に晴れていたと同時に開けた土地についていたことに気がつく。「あ、あの…」と顔が赤くなっている少女を見て横抱きしていることを忘れていた。突然行ったことにびっくりしたんだろうと下ろすと彼女は頭を深く下げた。
「まさか、これくらいの危機はメイドとして対応できないと言われているので」
「誰に??」「メイド長にです。」メイド長はサバイバル試験官かなにか??
彼女の慢心ではない真っ直ぐとした素直さとその純粋な邪推もない働こうとしている気持ちの前向きに何故がグサっと心に刺さった。「でもさ…そのまま飲水として使うのは少し危ないし、少しでもろ過して飲水として安全にしたいんだよね」
特にそこのメイドはどこの貴族に従えているのかも分からないため、
敵には回したくないと思った。
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