追放された薬剤師が送る日録
芽久檸檬
1話 別れと出会い
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あるところに地図上にある果の果てに存在する女を禁ずる島というのがありました。
女を禁ずるとは人は勿論、犬や馬などと言った動物も
生き物の性に対して女を禁ずる島ということである。
しかし、ある日。成人を迎えようとした人の中に女が混じっていたことが判明した。
その人間は生まれてからずっと、薬剤師として努めていた島にとっても要として
存在していた人物だったのです。当然、このことに気がつく島民はすぐにでも
彼女を島に追い出すよう指示をしました…が今まで衛生面で要だった彼女の存在は
島長にとっては惜しい存在であった。
そして彼女こと、カノエは着替えるものと自分の大事に使っていたすり鉢と大きさが小さめの釜を持ち運び、惜しみながらも島を後にするのでした。
そんな、船で大陸を目指している中、眠くなってきたカノエはある夢を見た。
それは見慣れない町並み、見慣れない文化、見慣れない夜景…
星や月の光さえ届かないほどの市街地の景色が彼女に郷愁が襲いかかった。
彼女はそれを知っていたことに気が付き、思い出そうと一人で走り出すと
市街に向かったが人一倍大きいコウモリとも人間とも似つかない恐怖が
スッと襲いかかった。これが彼女の前世の記憶だと光の速度でカノエは察した。
「もうすぐ、大陸だ。」あと私は何をやっていたかというと、
その記憶が蘇った衝動で大酒を食らって二日酔いような気分に陥っていた。
ここで幸運だったのは私は白昼夢を見ていたのか、
王国が営んでいる船…前世で言う都営バスの船版ようなイメージで、
それに運良く乗っていたのか、
曖昧な意識の中で行動を起こしていたのかは謎だが、
島長のメモ通りに進んでいることがラッキーだった。
海原から川に沿って大陸に向かうような船だったそうで、
乗り降りしている時に少しずつ町並みが見えてくるのが、不思議と面白かった。
少し自分のいた島に思いを馳せていると、
通りがかった人に少しぶつかってしまいその人の持っていたリンゴを
落としてしまい目があった。「!!」驚いたようにこっちを見たその人は
軽く会釈をして落ちていたリンゴを拾ってその場を立ち去った。
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