妹思いの優しい主人公が、残酷な女神の気まぐれで大切な家族を奪われ異世界に召喚されてしまうという悲しい展開から物語は始まります。しかし主人公は絶望に負けることなく、その優しさと知恵を武器に困難な状況を生き抜いていきます。
特に、魔物でありながら健気で愛らしい存在のスライム・スラユルとの友情は心温まるエピソードでした。そして、腐敗した権力者への怒りと復讐心に突き動かされつつも、理性を保って戦う主人公の姿勢にも好感が持てました。
異世界トリップ物語でありながら、主人公の心の機微や登場人物たちとの絆など、人間ドラマとしての要素もしっかりと描かれている点が本作の魅力だと感じました。今後の主人公の活躍と、物語の展開が楽しみです。