25日目
タンクは寝ずに走り続け、ついにヴィーヴルの巣を見つけ出した。
「行くぞ」
私は剣を抜き放ち巣穴に入った。
床だけではなく壁一面に、コウモリに似た羽根が貼り付いている。
やつらのガーネットの眼光。非対称の一つ目がこちらを見つめている。
その奥に黒いローブを確認した。
「ラーナを返してもらう!」
私は突進した。
目の前の二体だけを切り伏せ、ラーナを抱え込む。
入口めがけて集まって来たやつらの間を抜ける。
鋭い爪が鎧を引っかけた。思わず転びそうになるが留め金を外して巣穴を抜け出した。
追手を切り伏せながら叫ぶ。
「タンク!」
外には巨石を構えたタンクが待ち構えていた。
その足の間を潜り抜ける。
「うおおおぉ!」
巨石に封じられ、ヴィーヴルたちは生き埋めになった。
「ラーナ! 無事か!」
頬を叩く。
目覚めた少女は両手で顔を覆い隠した。
「ああ、怖かったな」
「宝石全部取られたぁ……」
少女の口から出たのはその言葉だった。
「………」
タンクは地面に寝転がり、私も天を仰いだ。
「ホヒーー」
ロバ竜が勝利の雄たけびを上げた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。