13日目
朝、起きるとラーナがいなくなっていた。
「ラーナ?」
ベッドの隙間まで探したが見当たらない。
諦めてパヴァ国へ帰ったのだろうか。その割にロバ竜は置いていったままだ。
フロントに問うてみても「知らない」の一点張りだ。
「なにやら陰謀の匂いがするな」
とはいえ私には関係ない話だ。
「おい、エルゼン」
振り返ると私を追放したコーディが立っていた。
「なぜここに!」
「そりゃ依頼だからね。あたいたちが倒したクラーケン、今頃瓶詰にされて卸されてるよ」
加工場の光景を思い出す。ぐっ、とこらえて立ち去ろうとした。
「待ちな。あんたの今の仲間?探すの手伝うよ」
「別に仲間ではない」
「陰謀の匂いがするところには金の匂いもするもんだ。いつも言ってるだろ?」
肩を組んでくる。
「まあ、一宿一飯の恩義があるからな。探してやっても良いか」
「そうそう、仲間は大事に、あっちょっと、なんだこいつ」
「ムッチャムッチャ」
ロバ竜にサンダルを齧られてコーディが慌てる。ざまあみろ。
竜炎団の人手も借りて聞き込みを繰り返したがラーナの手掛かりはなかった。
私は教会へ向かう。
「頼もう! ここに生意気な宮廷魔術師は来ておるか」
背後から殴られた。
気絶した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。