第二章 巷のカルト教団

11日目


 カナロに到着した。


「依頼をこなすぞ」

「そうですね」


 『フランブワヤ』からせしめた前金はあるが、金はいつか尽きるものだ。

 私とラーナは依頼を探して、ついでに騎士団の募集がかかっていないか酒場を渡り歩く。


「ほう、海の怪物クラーケンか…相手にとって不足なし」




 私たちは港の加工場でクラーケンの肉を捌いた。


「………」

「………」


 骨を取った肉は細かく刻まれて塩辛になるらしい。

 日払いでそこそこの給金を貰えた。


「何事も地道が一番ですね」

「……あっお前、何を食べている」

「隣のおばあさまからいただきました」

「私にはないのか!?」

「ホヒーー」

「うるさい!」


 ロバ竜を殴った。魔法障壁の鱗にはまるで効いていなかった。

 ラーナが庇う。


「……すまん」


 雑穀糖を口の中で溶かしながら宿を探した。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る