第18節 批判との向き合い方……


 執筆を始めて、およそ一年という期間の中で。

 私は一度だけ、受け止めきれない批判的な感想を受けたことがあります。


 内容は割愛させていただきますが、その言葉は私の心を抉るに十分でした。

 未だにその時のことを思い返すと胸が痛くなります。


 改善点が分かる、感想を貰えるだけ良いという考え方もあると思います。

 ですが、身を削って書いた小説は我が子です。貶されると、とてもつらいです。

 人によっては、もう書くのをやめようかな……と思えるくらいです。


 ということで、今節は批判との向き合い方についてです。



 第一にできることとして、批判は無視できることなら無視しましょう。

 特に、作品批判が行き過ぎて誹謗中傷めいたものは、全部無視して構いません。


 作品がつまらない、とかそういう理由も説明もないものが主ですね。

 不当な批判です。


 そういう人はきっと、大したことも成し遂げずに人を批判している人です。小説を書き上げたこともないかも。そういう風に思っておきましょう。

 そんな人の言うことに耳を傾けちゃダメです。


 妬みかもしれませんし、無差別攻撃に当たっちゃっただけかもしれません。そんなことで傷付いていたら、優しいあなたが疲れていってしまうだけです。


 その人のことは気にしないようにして、失った自信を取り戻しましょう。

 仲の良い人に作品を読んでもらって、良い評価を貰うのもいいかもしれません。良い人は作品の良いところを見つける読み方をしてくれるはずです。


 それでもダメならスイーツです。甘いものを食べましょ……と、これは個人的なストレス発散方法ですね。何かしらでストレス発散はしておきましょう。

 趣味の創作がストレス解消になるなら一番いいのですが、中々そうもいきません。


 ただそれ以外にも、ストレス発散法はたくさんありますよね。


 日光を浴びる、身体を動かす、お風呂に入る、好きなものを食べる、仲の良い人と話す、音楽を聴く、カラオケで歌う、かわいい写真で癒される、動画を見る、ゲームをする、寝る、読書(たった六分の読書で七割ストレス軽減できるとか)などなど。


 一度受け止めてしまった批判は、心に暗いものを根差したままです。かといって、批判感想を読む前に戻るなんてこと、一般人にはできません。

 ですので批判を受け止めた上で、気にし過ぎずにストレス発散に移行しましょう。



 そして、作品に対して、理路整然とした批評を送ってくれた人がいた場合の話。


 結局のところ、受け止める側からすれば理由付きでも理由がなくとも辛いので……こちらも、あまりに辛いなら無視するのもいいかもしれません。


 ですが、それでは勿体ないです。もう一歩進んだ見方があります。


 それは、批判する人はあなたの作品に関心があるということです。星の数ほどはないにしろ、無数にある小説の中から、あなたの小説に対して批判しているわけです。

 こんなの、もはやファンと呼べるのではないでしょうか……!


 批判された箇所を見返してみましょう。気付く点はありますか? 少しでも引っ掛かるところがあるなら、その方はそこを指摘しているのかもしれません。


 直せそうな箇所であれば、少し手を付けてみましょう。

 ん、なんだかちょっと良くなった気がするぞ? ってなることもあります。

 そう。批判を受け止めることは作品のクオリティを上げることにも繋がるんです。


 まあでも大体、作り手は分かっているんですよね。作品を書き上げるうえで、ここらの文章あんまり気に入らないな……だったり、設定の矛盾点に気付いたり。

 その上で、書き上げている方がほとんどなわけです。


 だって、書くのって相当な時間を費やしているわけですから。

 基本的には読者の誰よりも、作者がその小説を読んでいるわけです。

 そりゃあ気付きますよね。


 完璧だと思っている場所を、言われたからといって直す必要はありません。

 その時は、伝わり方は人それぞれだなあと思っておきましょう。



 まとめてみます。


 理由のない批判は無視! です。


 辛いことは辛いですが、批判は受け止めてみることも意識しましょう。

 受け止めきれない時は一旦感想画面を閉じて、良い評価を貰いに行きましょう。


 仲の良い友人でも、私でもいいです。

 良い部分の評価をください! って頼んでみましょう。


 第1節でも話しましたが、あなたが書くと決めた時点で、その小説は誰かにとって面白いものであることが確約されているわけです。たった一人に批判されたからって、その面白さが消失するなんて、あるはずがないのです。

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