第23節 語彙力がなくたって(辞書さえあれば)大丈夫!
作家にとっての味方であり敵、文章力と双璧を成す存在──それが語彙力です。
語彙力があれば、あなたの物語を好きに彩ることができます。
逆に語彙力が足りないと、頭の中の情景を想像通りに描写できずに、なんだか思ってるのと違うなぁ……なんてことになったりしてしまいます。
しかしこの語彙力という存在。非常に身に着けにくいです。また、身に着いたことを作家自身が実感しづらいという面も持ち合わせています。
よく言われていることとして、語彙力を着けるならインプット! 本を読んだり新聞を読んだりして知らない言葉を覚えよう! というのがあります。
これも間違っているとは言えません。というか、ある程度までは正しいです。
確かにたくさんの本を読めば、様々な言葉を知ることができます。
しかし、それにも限度があります。愛読書が広辞苑とかでもなければ(自嘲)、たくさんの言葉を知ることは難しいです。
普通の小説を読んでいて、例えば──
……そもそも知りたくない? そうかも……。
あんまり難しい言葉は使っても、普通読めないし意味不明ですからね。
璆鏘とか、私が良く使っている国語辞典にも載ってません。夏目漱石の『吾輩は猫である』に出る一文「琳琅璆鏘として鳴るじゃないか」でしか見たことないです。
ナウい、とかと同じくらい死語です。……もっと?
話が逸れてしまいました。
……ですが、どちらにせよ、小説や新聞記事のような『熟語が読めなくても前後の文脈からなんとなく読み飛ばせてしまう』ものは、語彙力を身に着ける手順として遠回りなんじゃないかなと私は思っています。
じっくり読み込めば大丈夫ですが、内容が面白いかも分からないものをじっくりと読み込むのは、かなり体力を使う作業になってしまいます。もはや勉強です。
なら、どうするか。辞書を用意しましょう。
私のオススメする辞書は二種類。類語辞典と、国語辞典です。
まず類語辞典ですが、超便利です。これがないとやっていけません。
執筆中、……なんだかこの表現違うなあ。という時に、その表現の類語を引きます。辞書が手元にない場合はインターネットでも構いません。
その他にも、同じ表現が何度も続いちゃったときなんかにも使えます。
小説表現の一環として、同じ表現が続くこと自体に問題はないのですが、やっぱりどこかのっぺりした印象の文章になってしまいがちです。
そこで類語辞典を引いて、表現の一部を別の言葉に変えてあげるましょう。
同じ意味の文章でも複数の言葉が使われていると、全く別の印象になります。
類語辞典を駆使することで様々な表現を使うことができるのです。
買って手元に置いておけば、実質あなたの語彙力が増えたのと同義です。古本でも大丈夫なので、あなたも類語辞典を買いましょう(※販促ではないです)。
あと──もう一種類、国語辞典の方ですが、こちらは実際に語彙力を増やしたい方向けです。空き時間等に読む用途で私は使っています。
元々は言葉の意味や使い方、漢字での書き方などを調べたいときに使うものだったはずですが、その役割はインターネットにほぼ取って代わられています。
国語辞典の優位性は、複数の言葉を一気に見ることができる点です。
例えば、『書き著す』と国語辞典で引いたとして。その周りには『書き著す』以外も、たくさんの『書き~』という言葉があります。『書き上げる』、『書き入れる』、『書き起こす』、『書き落とす』、『書き下ろす』、『書き換える』等々──。
それらの意味を知れば、いずれ使う時が来るかもしれません。調べている最中に、こっちの表現の方が適しているんじゃないか? ということもままあります。
類語辞典ほどではありませんが、有用な辞書です。
あとは読んでて楽しいです(活字中毒並感)。
買いましょう(※販促ではないです)。
今回まとめるほどの内容がないので、本節のまとめはありません。
強いて言うのであれば、類語辞書を買いましょう(※販促でh……)
──と。前回、今回と技術的な話を何もしてこなかったので、次回は少し執筆技術についての話を書いてみようかと思います。
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