第20節 マニアックな作品を書きたい!


 今回は、書きたいものがマニアックで読まれるか分からない……。

 面白いと思うものがトレンドから外れている……という方向けの節です。


 今節はちゃんとした話ではなく、雑談的エッセイになります。



 例えから入りましょう。某なろうサイトのトレンドキーワード。

 2024年では、ゆるふわ設定、異世界転生、婚約破棄、悪役令嬢、ハッピーエンド、乙女ゲーム、ざまぁ、聖女、日常──等々がよく使われていますね。


 異世界恋愛が最近の流行り(2024/04/13時点で、週間ランキングの八割が異世界恋愛もの)であったり、ハイファンタジーであっても、重厚な世界観で描いたものよりは、どちらかというとスローライフ系が人気が出る傾向にあるみたいです。


 こういった最近の傾向こそがトレンドですよね。

 これに合わせることで、よく読まれる作品を書くことができます。


 しかし、これまで私が書きたいなあと思う作品はどれも、良い言い方をすれば尖っている、悪い言い方をすればトレンドから外れた作品でした。


 去年書いた長編は未成年略取もの、今年書いたファンタジーは重めの作品……。

 それまでに書いたものも、トレンドに乗っかったものは一つもありません。

 研究はするんですけどね……どうにも書けなくって。


 そうなると、やっぱりなかなか読まれません。


 言い訳のように聞こえますでしょうか。……確かに、トレンドから外れているから読まれないんだ、とは一概には言えません。


 例えば私の書く作品はWeb小説としては文章が固めですし、読みづらいなあと思われる方もいらっしゃるかと思います。それで読まれないという可能性もあります。

 また単純に、ストーリーが面白くなくても読まれませんよね。

 タイトルやあらすじ、序盤の掴みなんかも特に大事です。


 そういった諸々の要因も含めて、私の書く作品はそこそこくらいの評価に落ち着いているものが多いのかな、と勝手に自己分析しております。


 しかしそれらを差し引いても、トレンドの力とは、かくも偉大なものです。

 トレンドにぴったりはまっていれば、先程上げた諸々の要素──文章力やストーリーの面白さ、あらすじなどなど。それらのハードルが低くなります。

 その分だけ読まれやすさに直結してくるわけですね。


 いえ──むしろ、マニアックな作品だとハードルが必要以上に高くなると言うべきでしょうか。最低限はできていないとトレンドに乗っていても読まれませんからね。


 それでも、私はマニアックな作品が書きたいんだ……! という方。

 一緒に頑張りましょう。全力で応援します。



 マニアックな作品にも一応、メリットはあります。

 それは、尖っているがゆえにファンが付きやすいことです。


 もちろん、大勢のファンが付きやすいという意味ではないです。マニアックな作品がぶっ刺さった! みたいな方がファンになってくれやすいという意味です。

 そういった方は、その後、固定読者さんになってくれることも多いです。


 トレンドだけを気にした作品は没個性化してしまうことも多く、実は難しい……なんてこともあります。その点、マニアックな作品はそうはなりづらいです。


 だからむしろ、書くのは簡単な方と言えるのかもしれません。

 参考文献が全然ないのがちょっと大変なくらいですかね。


 そして、マニアックな作品は書いていて楽しいです。

 これは個人的な感想(トレンドものを書いたことがない筆者の戯言)ですが……やっぱり、書きたいものを書いている時が一番幸せですからね。

 


 あとはデメリットについてもちゃんと話しておきます。


 まず、さっきも言った通り、トレンド作品よりアクセスがつきにくいです。

 読まれにくいということはそれだけ評価されづらいということであり、ランキング入りも難しければ、感想やレビューも集まりません。


 また、マニアックな題材の小説で書籍化を狙っている場合。

 Web投稿でなく公募に出しましょう。Webから書籍化するのは無理に等しいです。

 可能性はゼロではありませんが、凄まじく高いハードルとなります。


 

 それでも。マニアックな題材の作品が増えてくれると私は非常に嬉しいです。

 あなただけの個性を前面に出した作品は、きっと良作になります。


 是非、読みに伺わせてください。


 今回のお話は特にオチもなくこれで以上となります。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る