第5話 【怪談】女子のいじめ

これはKさんが大学入学前に体験した話。

Kさんは大学入学を期に一人暮らしをすることになり、

都内で住める物件を探していた。


「ここなんてどうですか?ロフトもあって角部屋ですよ」

と不動産営業の人に勧められ、大学からも近くて、

家賃五万円で住めるロフト付きの物件を見に行くことになった。


不動産営業の人と共に車に乗り込み、

他愛ない話をしながら目的地の物件へ向かう。


「こちらです」

不動産屋から車で十分ほどしてお目当ての物件に到着した。

白い小綺麗なアパートで見栄えもいい。

不動産営業の人が物件の部屋を開ける。

楽しい大学生活になりそうだと期待に胸を膨らませていた。


しかしだった。

その部屋の扉を開けて中に足を踏み入れてみると、

ふんわりと香水の香りがした。


「芳香剤か何かですか?」とKさんが聞くと、

芳香剤は置いてないという。

この物件に住んでいた前の住人の生活臭がついてしまっているなと

ロフト見上げた時だった。


四つん這いになっている女と目が合った。

「あ」と思って四つん這いの女の周りをよく見て見ると、

更に二人の女がいた。

二人の女らがその女の背中を殴っているところだった。

その内の一人の女が、口に指を当てるポーズをとってきた。

女のすすり泣く声とそれをせせら笑う声が響いている。


Kさんはあまりにもびっくりして

不動産営業の人に話そうと思ったが、

その営業の人は女たちが見えていない様子だった。


Kさんはそれは幽霊だと確信し、

不動産営業の人の説明を黙って聞いた後、別のアパートを契約したそうだ。



(おわり)

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