第3話 【怪談】シャカシャカ足

私の友人Rさんは霊を感じやすい性格で、

よく憑りつかれることがある。

そんなRさんにまつわるお話。


Rさんが繁華街の横断歩道で信号待ちをしていると、

ビルの角から曲がってくる一台バスがあった。

バスの車体の下で何かが動いている。

目が悪いRさんはよく目をこらした。


すると、車体の下から大量の足がにょっきりと生えていた。

無数の足だ。若い子供の足、女性の足、男性の足、外国人の足。

足が色んな角度でバスから生えており、

バスが走るのに合わせてシャカシャカと足が動いていたそうだ。

そしてバスの車体に二つ大きなレンズのような丸い目があり、

ギョロギョロとしていたという。

まるで獲物を探すかのような動物のようだったという。

ギョロギョロ目を持つ、シャカシャカ足のバスは、真っ直ぐ直進し、

次の目的地へと走り去っていったそうだ。

今でもそのバスは無事に走っているのだろうか。

ちなみにRさんはそれを見てからしばらく具合が悪かったという。



(おわり)

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