第四話

 資産家の祖父が死んだ。

 祖父はどこかから帰るたびに奇妙な土産を持ってきた。あるときそのうちの一つである花瓶を玄関に置いた。父が触ってみたところ、底が丸く起き上がり小法師のように倒れない。持ってみると随分軽い。内部には水。三つの穴が空き、そこに差された花はどれも異様に鮮やかであった。

 一度客が誤って傷をつけたことがあるが、剥げた塗料の下は白であった。

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