第七話
死んだ資産家の祖父宅には離れがあった。
四十畳ほどもある広い和室があったが、本来あるはずの床の間がなかった。
父はその和室が好きであり、夜よく寝場所にしていたが、朝起きると自分の位置が変わっていた。
部屋の中央で寝ていたはずが、すみにいる。よく畳を見ると入れ替わっている。
机や座布団の置かれた場所も見ていないうちに動いた。開け放したふすまは勝手に閉じている。
あるとき怖い風貌の男達が訪れてきた。祖父は和室に一晩泊めた。
次の日男達は誰もそこから出てこなかった。祖父に聞いてもお帰りになったとだけ言う。
ふすまを開くといつもより広くなっていた。
畳の枚数が増えていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます