第8話

 お地蔵さまは気がすむまで踊ったのか片づけを始めました。おじいさんとおばあさんは「もー帰っちゃうの~!?」と残念な気持ちになりました。


 一体のお地蔵さま(ボイパをしていた一体)がふたりの前にズズズ、ズズズと重そうなそりを引いてきました。そりに積んでいたのはお米、お餅、味噌、醤油、塩、お酒、小豆、海産物、野菜、炭、BBQセットでした。


 お地蔵さまは手早くBBQセットを組み立てて、炭で火をおこすとお餅を焼きはじめました。お餅はぷっくりふくれてとても美味しそうです。お地蔵さまはおじいさんとおばあさんに焼けたお餅をすすめ、ふたりはありがたく頂くことにしました。お餅はつややかで、よく伸びてほのかに甘味がありました。あまりにも美味しいので、ほっぺたが落ちそうになるほどテンションが爆上がりでした。


 お地蔵さまはふたりの横でせっせと玉ねぎ、にんじん、ピーマン、帆立、サンマ、牡蠣を焼いていました。お地蔵さまにすすめられるままに焼きあがったものを食べ、おまけに上等なお酒まで飲んでしまったので、おじいさんとおばあさんはラテンのノリでビートを刻み、自由に踊りました。

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