第9話

 おじいさんとおばあさんが気がつくと朝で、ふたりはいつもの高反発布団の上で寝ていました。お互いに顔を見合わせて、変な夢を見たなあ、でもとてもの楽しい夢だったと語り合いました。


 火の気のない部屋に、おばあさんはぶるるとふるえて上を見上げました。すると空は見えず、そのかわりに穴にすっぽりはまったミラーボールが見えました。


「おじいさん、ちょっとあれ!」


 ミラーボールを見たおじいさんも、おやっとたまげてしまいました。


「では昨日のことは夢ではなかったのか」


 晴れた空の下、おい遺産が外に出てみるとお米やお餅などたくさんの農産物や海産物がのったそりとBBQセットが残っていました。(BBQの火はちゃんと消してありました)地面には硬くて重たい何かを引きずったり、えぐられたような跡が残っていました。


 その年のお正月はおじいさんとおばあさんにとって、人生の中でもとくに幸せなお正月になりました。お地蔵さまが残してくれたお餅を焼き、昆布と鰹で出汁をとって雑煮をつくりお正月を祝いました。


 ミラーボールは夜になると景気よく光り、ふたりが寝るころには消灯しました。

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