第6話

「振動の原因はこれだったのか…」


 おじいさんは目を見張りました。見覚えのあるものが目にとまりました。


「あ、あれは!」


 おじいさんがお地蔵さまにかぶせてあげた笠です。笠は縁から派手な色の光線が放射され、リズムに乗って明滅しパラリラパラリラと光っていました。おじいさんはもう声も出ませんでした。


 ふとおじいさんは思い出しました。「そういえばお地蔵さまは十体おられた。最後のお地蔵さまはどこにおられるのだろう」十体目のお地蔵さまを目で探すと、いました。十体目のお地蔵さまはヘッドフォンをつけ、ノリノリでDJをして会場を沸かせていました。


「おばあさん!そんなところにつかまってないで早くこっちに来なさい!」


 おじいさんはおばあさんのことを一時忘れていました。慌てておばあさんを戸口のところに呼びました。


「まあ、これはいったい…」


 おばあさんも目をまるくして繰り広げられる光景を見ていました。


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