第5話

 おじいさんとおばあさんが眠りについたころ、腹の底に響く振動が断続的に鳴り、おじいさんとおばあさんは目が覚めてしまいました。振動で今にも床板がはずれそうになっています。


 ズンッズンッ ボコッ ズズズンッ ボッコン ボッコン ズズズンッ


 振動はだんだん大きくなってきます。粗末な家が倒壊しそうです。


 ボッコン ズンズンチャッ ズンズンチャッ ボコッ ボコッ


 おじいさんは家の中で唯一信頼できそうな大黒柱におばあさんをつかまらせると、勇気をふりしぼって戸を開けました。


 するとまばゆい昼間のような光とともに七色の閃光が部屋に入ってきました。そしてほら貝の音が響き渡るとそれを合図に、聞いたこともない音楽が流れてきました。


 まぶしさにやっと目が慣れたおじいさんが見たのは、ボイパでセッションしている五体のお地蔵さまと硬い体を器用にあやつりながら踊り狂う四体のお地蔵さまでした。

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