第4話

 おじいさんを出迎えたおばあさんは笠がひとつも残っていないので、にこにこして「お帰り、おじいさん」と言いました。おじいさんはちょっとバツが悪そうに「実は…」とお地蔵さまのことを話しました。おばあさんは内心モヤッとしましたが、おじいさんが雪山で遭難もせず、凍傷にもならず帰ってきただけでも良しとするかと自分を納得させ「おじいさん、それは良いことをしましたねぇ」と言いました。それをきいたおじいさんはホッとしました。


その晩ふたりは弾力のない高反発の布団を敷き、仲良く星を見ながら床につきました。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る