第3話

こんなに穏やかな気持ちになったのは久しぶりでした。おじいさんはあらためてお地蔵さまを見ると、雪がこんもりと積もっていました。そろそろお地蔵さまか雪山か分からなくなりそうでした。


おじいさんはお地蔵さまが可哀想になって、頭に降り積もった雪を払い体についた雪もきれいに取ってあげました。それからおじいさんは売れなかった笠をお地蔵さまにかぶせてあげました。


「これでいくらかましだろう。おばあさんもお地蔵様の事を話したら納得してくれるだろう」

おじいさんは家まであと一里の道を軽くなった体で帰りました。




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