第181話 情報整理の夕べ
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西の辺境 最初の家。
俺は久しぶりに昔の自分の家に帰ってきた。クリーンをかけて掃除をして、のんびりとする。久しぶりに一人になったな。俺はベッドで丸くなって情報の整理をすることにした。最近遅れ気味だ。
ユリーザ大国、王都ユリザエールでもロストチャイルド商会本店消滅事件を今でも捜査中。だが、全くの進展なし。しかし、余波で小さな犯罪も発見されて、健全化されてきている。陛下もやる気を見せているようで、数人の大臣が戦々恐々としている。もう少し待ってから、情報提供しよう。
スニード領とフェイロ領には分身がいないので分からない。送るべきか?今でもキャパオーバー気味でこれ以上は無理だろう。ダンガル王国が経過観察中なので、それが終わったらにしょう。
魔獣が増えているという噂に関連しているかもしれないが、嫌な予感がする。ジョージと蘇る狼を鍛えた方が良いだろう。特にジョージ。今の町を一人で守ることはできないが、家族を守ることさえ無理だろう。
エストスマ王国国王がロストチャイルド商会襲撃事件について、影を使って探りを入れている。俺の弱点を見つけて、利用したいようだ。ただ、その影がもうエストスマ王国で働きたくないらしく、俺や俺の知り合いにたどり着ける確率は非常に低い。お父さんにも分身を一人つけているので大丈夫だろう。他にはエストスマ王国はBS商会の借金地獄に嵌められているので、少しは手助けしてやろうとは思う。過払い金は俺がもらうことにするし、恩が売れる。先ずはBS商会への金の流れを突き止めよう。
ネイラード王国の呪い事件。王家、貴族等ロートルシード奴隷商会の奴隷売買に関連した者は1カ月の呪いで苦しんでいる。宰相のカルビンが孤軍奮闘しており、スレイニー司祭へ依頼の手紙がリゼンブルに向かっている。間に合うかな?王家の呪いを解いても、学ばないと思うけどな。
ノルーナ王国が戦争を始める?噂ではそう聞いたが。遠すぎて調べようもないから、放置する。何処とするにしても、多分エストスマ王国は影響を受けるだろう。エストスマ王国はケチが続くな。
カインはモーガンとフリンと仲良くしている。自分の情報網を駆使して、いろいろ調べている模様。もうすぐ顔を見に行くぞ。
ドミル領の塩問題とネリーの復讐。これに関しては、棚上げ状態だ。ターシャ曰く、ネリーはまだ出てこない。最近はターシャとも会っていないが、そのせいで天岩戸作戦が進行していないのかもしれない。心配だ。ターシャを海に連れていけば、ネリーに反応があるかもしれない、と今気が付いた。最優先だな。俺もそろそろ合流して、北のドミル領に向かいたいもんだ。
スジャータ伯爵は領の名前をいつエリザベス領から変えるのだろうか?歌が溢れる街になったことは素直に凄いと言っておく。
ジョージの町、オタワ。新規開墾地を大きく増やし、ジョージ・ノーフォーク農法の成功により、一気に盛り返した町になった。今は人口も増えてきていて、師匠も鍛治の仕事が忙しいようで、弟子を取るのも時間の問題だろう。今ではジョージも町の名士だ。まだこれからジョージ英雄化計画の第3弾が来るけどな。
エリザベス様だが。婚約の噂は俺も知りたいところだ。まだ屋敷でそんな話は出てないがな。エリザベス様一行は無事にメリル領へ引っ越したようだ。まだ引き継ぎ事項などで忙しそうだから、蘇る狼は放っておこう。しばらくしたら、特訓だ。
ターシャは今でもジェネラルミル領の村に居る。もう半分住み着いたみたいになっているようだ。彼女にとっては故郷みたいに感じるのかもしれないな。ンーマンも鍛錬をかかしていないので、かなり伸びたようだ。が、彼にも更なる特訓をさせる必要がある気がする…。
最後にサバゲダンジョン。悪魔娘たちはまだ合流していない。何をしているかは知っているが要領を得ない。魔法の練習をしていることは分かっているが、他にも何か特別事態が発生している。しかし、問題は無いらしいので、敢えて聞かない。細かく聞けば分かるだろうが、楽しみを取っておくのもいい。分身は99階層で特訓している。十分強い魔獣が相手だ。鞭もかなり上達した。自分用の鞭も作るべきだな。彼に任せよう。人間相手でも通用する罠設置の練習もお願いする。使う気がするんだ。あれ?悪魔娘達は1週間ぐらいしかいられないって言ってなかったか?確認しよう。
『おーい、悪魔娘といる分身よ。彼女たち魔界に帰らなくて大丈夫なのか?』
『なんかまだ大丈夫みたいだな。俺も聞いたんだが、帰る時には教えるからって、その時にわかるからと言われた。詳しく聞こうとすると、エッチとか言われるので、突っ込めないでいる。』
『なんだそりゃ。まあ、そのままいられるならそれでいいけど。』
『俺もそう思ったんだ。』
『分かった。しかし、まだ99階層に行かないのか?』
『それもさっきと同じで理由があるらしい。4人でニヤニヤしながらこそこそしているから、何かをたくらんでるかもしれないが、俺には逆らえないはずだ。しかし、強制するのもな。』
『気持ちは分かる。まあ、急ぎの問題ではないからいいけど。もしかしたら、99階層の分身を移動させるかもしれないから、その時は、お前が99階層の延長を選択してくれ。』
『了解。』
なんだか、訳が分からなくなっているな。ついでだ、ニコルにも訊いてみよう。
『おーい、ニコル。元気か?』
『ああ、元気だよ。』
『アルファは魔界に帰らないといけないと言ってないか?』
『いいや。楽しく子供達と遊んでるぞ。魔法を教えたりもしている。トイレとか魔法が使えた方が便利だろうということだ。』
『それは、そうだな。魔法を教えるときの、いつもの約束を子供達としたか?』
『ああ、している。俺が話せないふりをしているから、アルファに頼っている状態だ。』
『助かるな。獣人が放出系魔法を使えるようになったら凄い事だぞ。頑張ってほしい。しかし、もう1週間越えたと思うが、何故帰らなくていいのか?ダンジョンの悪魔娘も帰ってないんだよ。アルファに変化があったら、教えてくれ。』
『了解。』
アルファもか。ターシャに聞くしかないか。
『ターシャ、久しぶり。元気か?』
『マスター。私は元気よ。マスターは何かありそうね。』
『ああ、アルファとか呼ばれた悪魔娘達が今でもこちらの世界に居るんだよ。最初聞いた時は、1週間ぐらいでリンクが切れるから、自動的に召喚が終わり、魔界へ帰ると言っていたんだが、どういうことなんだろう?」
「ふーん。不思議ね。私みたいなカスタムされた身体を手に入れたわけでもないのに…今、5人は何処に居るの?』
『4人はサバゲダンジョンで、アルファはネヴァーランドだ。』
『まあ、リンクの維持には個人差が出るから、思った以上に体との相性が良かったのかもしれないわ。でも、何もしないで1月はないと思うから、問題が無いなら、放っておいたら?』
『まあ、問題は無いな。それじゃあ、放っておくよ。他にも忙しいし。俺もそろそろターシャと合流して、北のドミル領に向かわないとと思っているんだ。』
『そうなるといいわね。』
『ああ。それじゃあ、またな。』
『はい、マスター。おやすみなさい。』
うーん、まあ、問題は無いのかな。
BS商会とファニー商会の情報を集めることも必要だが、一度にできる限界がある。並列思考はある程度出来ていても、並列処理が出来ていない。演算加速でもいいかもしれない。兎に角俺の脳を活性化する方法を考えるべきだ。脳も筋肉、使うほどに鍛えられるはず。結構使ってると思うけど、本とか読んでないしな、将棋とかする方がいいのか?『御坂ネットワーク』を利用できれば違うだろうが、自分の脳でネットワークを作ればいいのか…ちょっと考えよう。身体強化が出来るのならば、魔力を脳に集めれば、脳を活性化できるのではないか?早速してみる。魔力を脳に集める。と思ったが、スライムの脳は何処にあるんだ?俺は何処で考えているのか?人間の形になって、頭に魔力を込めてみる。どんどん送るが溜まって行くだけだな。脳が進歩した気はしない。これは、身体強化スキルはあるが、脳力強化は持っていないからなのかもしれない。今はこう考えるしかない。記憶スキルはあるから、本を読んで知識を上げてみよう。魔力循環も上げればそだけ良いはず。更に高みを目指そう。そのうち誰かのスキルを貰えるかもしれないから、今はこれで良し。
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