第180話 息抜き

午後。


ゲイツ伯爵領 サバゲダンジョン 99階層。




先ずはステイタスチェックをしよう。


名前:タロウ(仮)

種族:スライム(Huge)small -> medium -> large -> great -> huge -> giant -> gigantic->mammoth->monstrous->behemoth-> mountainous-> mighty->ultimate -> chaos

年齢:0

レベル:81 (冒険者で言えばAの下あたり)

HP:3100/3100

MP:3600/3600

能力:成長促進:78 魔力増進:82 強運:48 異常耐性:109 隠形:111 感知:111 五感向上:109 器用:106 変装:51 体捌き:59

鑑定:80 魔力操作:119 身体強化:114 硬化:96 糸操作:97 糸生成:96 毒耐性:108 毒生成:96 水泳:22 吸着:104 水魔法:98 火魔法:94 土魔法:105 風魔法:104 光魔法:75 闇魔法:112 生活魔法:57 無属性魔法:88 状態異常魔法:100 呪術:99 魔法耐性:99 隠蔽:66 錬金術:74 解錠:36 罠感知:60 罠設置:41 毒付与:46 神聖魔法:49 剣術:46 短剣術:30 弓術:15 話術:31 詐術:26 斧術:14 馬術:29 槍術:30 盾術:24 兵術:23 武術:34 記憶術:31 木工:19 千里眼:32 投擲:51 鍛治:43 栽培:20 味覚向上:33 杖術:27 戦術:18 念話:14 料理:28 木こり:5 織物:2 刺繍:2 無音:28 賭博:20 時短:12 整理:11 暗視:30 結界:58 読唇術:7 盗聴:14 暗号:8 体重変化:10 商売:5 俊敏:28 予感:10 教育:10 補助魔法強化:2 能力低下:10 探知:8 穴掘り:5 造作:5 鞭:15


種族能力:吸収:70 分裂:80 集合:80 収納:78 物理耐性:110 リサイズ 擬態:75 腐食:26

特殊能力:自由。

加護:ラレイロ(小)



分身が頑張ってくれていろいろ進歩しているな。


悪魔娘たちはどうしたのかと思ったら、まだ追いついていないようだ。不吉な予感がする。俺は撤退することにして、分身に任せた。また、ダンガルの海に戻った。俺は海辺を歩きながら、西の海との違いを探してみる。先ず海に足を付けてみて、塩生成を始めた。まだ20トンぐらいあったと思ったが、10トンぐらい足しておこう。1時間もやってしまった。塩の味も変わらない気がする。若干マイルドか?どうだろう?それから、探知で海藻を探してみた。あまり多くはない。この辺は遠浅で砂浜だ。カレイとかヒラメがいるかも。潮干狩りをしてみるか。魔法でホックり返してみたら、居るね。ハマグリグリよりはずっと小さいけどげんこつぐらいな大きさのシジミジミが。取り過ぎるとあれだからと、それでも一袋分採れた。これで味噌汁作ったら、具が大きすぎるか?シジミジミを使って釣りをしてみた。棒針にシジミジミを付け、俺の糸に結び付けて、お気に向かって投げ込んだ。

「おお、もう来たか。」

手繰り寄せる。あまり暴れないな。浜辺に引き上げられた魚はまるでオヒョウだ。名前を鑑定してみるとオヒョヒョウだった。でかい。一匹で満足だ。それを浜辺で焼いて、美味しく食べた。脂がのっていて本当に旨いよ。骨まで食べられる。散歩を続けると、塩を作っている場所を見つけたが、柵があって近寄れないようにしてある。国営事業だから、こうあるべきか。塩田タイプのように見える。千里眼で見ても、そうだった。ごつい獣人達が頑張って働いている。


帰る前にもう一匹オヒョヒョウを釣った。カインの土産にしてやろう。


次はサシントン領のスポケーンに来た。久しぶりに犬になって街をうろつく。アブデインさんの家の前も通ってみると、庭に綺麗な赤や黄色の花が咲いている。奥さん頑張ってるんだな。

そこからぐるっと回って肉巻きの屋台を覗くと、相変わらず列ができている。挑戦者も増えているようだな。俺とネリーの記録はまだ抜かれていないようだ。そしてそこから歓楽街に入った。この街も明るくなったよな。前はもっと灰色な感じだった。まあ、経済が厳しかったからなー。今の経済状況は知らないが、うまくいっているのだろう。そこで馴染みの店に来た。入り口で軽く吠えてから中に入っていくと、女将さんが出てきて、

「あんたも久しぶりだね。元気だったかい?」

「わん。」

「そうかい。そうかい。そいつは良かった。いつものをやろう。」

俺は彼女に鼻をぐりぐりと擦り付けてから、大人しくいつもの場所で待つ。そしていつもより骨に肉が大目についた塊をくれた。今日は豪勢だね。俺は骨ごとバリボリ食べて飲み込む。うむ、いつもの味だ。俺は満足げに口の周りを舌で舐め、ごろりと横になる。

「あ、この犬また来たのね。」

「ああ、今さっき来たのさ。元気そうだよ。」

「ふふふ、女将さんの子供みたいね。」

「まあね。偶にやってくると嬉しいね。見ないと心配するし。」

「あんたもちゃんと顔を見せに来ないと、女将さんが倒れるよ、この間みたいに。」

うん?女将さが倒れた?何の話だ?俺は目を開けて女将さんと女の顔を交互に見て、首を傾げた。

「いいんだよ。ちょっと体調が悪かっただけなんだから。あんたもいらないことを言うんじゃないよ。この犬も困った顔をしてるじゃないか。」

「でも、本当のことでしょう。子供みたいなもんなんだから、教えておいた方がいいよ。」

「まあ、あまり気にしないことだよ。私も年には勝てないだけなんだから。」

「クーン。」

俺は女将さんに鑑定をかけた。胃に腫瘍か。癌だな。転移は無し。していても魔法なら関係ないか。

今はまだ客がいる時間帯だから、最後までいよう。この店も客が増えたな。

「おい、聞いたか?ユリザエールのロストチャイルド商会の本店が消えてしまった話。」

「ああ、なんでもそれからロストチャイルド商会は落ち目になるばかりだってな。誰に狙われたんだか。」

「それもそうだが、何だか魔獣が増えてるって聞いたぜ。大丈夫かね。」

「魔獣も増えたり減ったりするだろうよ。」

「エリザベス様が婚約したって知ってるか?」

「いいや。それは初めて聞いたぞ。あのお姫様がな。もう、そういう歳か。エリザベス様に乾杯だ。」

「乾杯。」

「で、相手は誰だ?」

「それは知らねえがな。」

「はー、ちょっと知りたかったぜ。」

(俺もだ。)

「後聞いたのは、ノルーナ王国が戦争を始めそうだっていう話かな。」

「おいおい物騒だな。それ本当か?ユリーザ大国は大丈夫だろうな?」

「ノルーナ王国なら国境が接していないからユリーザ大国には関係ないんじゃないか?」

「そう願うよ。せっかく安定してきたのに。」

「サシントン領はやっと持ち直した所だしな。」

「ああ。まったくだ。」


*****


「今日は暇だったんだね、あんたは。」

「わん。」

客も全員帰った。俺は女将さんに近づくと、右前足を腹に置いて、リジェネレイトを発動した。魔力がどんどん持っていかれたが、そうでなくては癌は治らないだろう。暫くして足を離し、鑑定をする。どうやら癌は無くなったようだ。再発があるのかどうかわからないが、ついでにエクスヒールもかけておいた。

「あんた、また何かしたね。身体が楽になったよ。全く心配性なんだから。また借りが出来たよ。ほら、最後の肉だ。食べていきな。」

女将さんは、大きな骨付き肉を俺の皿に入れてくれた。それをまたバリゴリとかみ砕いて飲み込んでゆく。

「わん。」

俺は軽く鳴いて、店を出た。

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