第106話 準備終了
2日後。
明日軍隊が来る。今日中に所定の場所にダンジョンを移動する。
「ターシャ、最後の移動をしに行こう。魔獣は増えているか?」
「少しだけね。今日は討伐は必要ないわね。」
「分かった。移動だけだから、俺とターシャで行ってくるよ。また後で。」
「はい、また後で。」
*****
「さてと、終わらせよう。あと2㎞の移動だ。これも慣れたな。よいしょ。」
ズズズズズ。
ズズズズズ。
…
ズズズズズ。
「はい、終わり。魔力の脈から離れる訳にはいかないから、ここら辺が一番良いだろう。500m位は慣れているけど誤差の範囲と言う事で勘弁してもらおう。後は周りに堀を掘るんだが。このダンジョンの正面に堀の角が来るように掘りたい。ターシャ、やってみる?」
「やるわ。深さは7m位あればいいかしら?」
「それぐらいあればいいだろう。ぐるっと入り口を囲うようにお願いします。」
「それ。」
「出来た、出来た。いい感じだ。幅も7mあれば十分だ。では、橋を架けるぞ。俺は幅2m長さ8mの板を二つ作った。これをT字のようにして、堀の角から入口に繋げる。こうしておくと、手前のTの上の棒の部分の板を引けば橋が落ちて渡れなくなる。最初はこれでいいだろう。橋を落とすための板には鎖をつけてあるので引きやすい。幻影魔法も解除。終了。撤収。帰ろう、ターシャ。」
「はい。マスター。」
俺たちは手を繋いで帰った。
やっと仕事が終わったので、今日は海鮮鍋にした。明日からは軍隊も来るし忙しくなるから、この慣れたメンバーだけで過ごせるのは、今日が最後だ。
「皆さん、いろいろと忙しくやってきましたが、一段落つきました。皆様のお陰です。今夜は私が心ばかりの鍋料理を用意しました。海の幸を詰め込んだ海鮮鍋です。鍋を食べ終わったら、締めにうどんを入れます。具材はたっぷりとあります。女将さんの畑からも提供してもらいました。明日からは今以上に忙しくなると思いますが、今だけは我々の努力に祝杯を挙げ、お互いの友情を称えて、鍋をつつきましょう。では、乾杯。」
「「「乾杯!」」」
ステラちゃん、ターシャ、俺はジュース組だ。大人は酒を飲んでくれ。俺は深皿に海鮮鍋をすくって渡していった。具にはハマグリグリを切ったのも入れてある。最初見た時は皆が驚いた、その大きさに。俺の頭よりでかいからな。
「何だかいろいろ入ってますね。良い匂いです。うん、旨い。」
「美味しーよ。美味しーよ。こんなの食べたことないよ。」
「本当に美味しいわ。こんな具材が此処でも買えたらいいのに。」
「マスター。とっても美味しいわ。嬉しい。」
「ありがとう。気に入ってくれてよかった。これは私が以前海に行ったときに収穫したものです。いつか皆さんとも行ってみたいですね。」
「見てみたいわ、海。」
「私も行きたいー。」
「いつかみんなで行きましょう。」
どんどん食べて、飲んで、大分出来上がってきたときに、うどんを投入。皆でツルツルと食べて大満足で終わった。そして、皆、幸せそうに早めに寝た。
感知で魔獣の動向を確認。問題なし。
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