第34話 スリージー商会への警告
スリージー商会本店。
「ここに来ては困ると言っておいただろう。いつものつなぎは来てないぞ。」
「つなぎはもう生きてないだろう。」
「どういう意味だ。依頼は達成できたのか?」
「いや、失敗だ。」
「どうやったら失敗するのだ。100人ぐらいで騎士達もいたはずだ。」
「そう聞いているが、先ほど俺たちのギルドが襲われた。フードを被った魔法師だ。そいつは俺に言った、俺は道で倒れていただけだったのに殺されそうになった。何も悪くないのに。それで一人づつ尋問して俺のところまで来た。ギルドで4人いたうち3人があっという間に殺された。そして、この依頼を出したのは誰だと訊かれて、俺はあんたの名前を話してしまった。ここに前金がある。全て返す。俺は逃げる。あんたも逃げることを薦める。」
「何をバカなことを言ってるんだ。無理に決まってる。依頼は確かに俺が出したが俺は頼まれた中間職でしかない。そんなメッセンジャーを撃つような事をするわけがないだろう。それにスリージー商会を敵にするわけがない。」
「いや、あいつは復讐するために王都まで来たんだ。あの時いたのはうちと、近衛騎士、教会騎士そして軍だ。スリージー商会と教会と王家は必ず復讐される。」
「そいつは誰なんだ?」
「判らねえよ。汚いフードかぶった魔法師としか。兎に角俺は逃げるからな。もう関係ない。王都も出る。」
暗殺者は去っていった。彼は王都から出られなかった。
アブデインは心配になったので、すぐに会長と副会長に連絡をしに部屋に行った。そこで依頼の結果を待っていたのである。
「アブデイン、良い知らせか?」
「いえ、失敗したようです。先ほど暗殺ギルドのギルマスが来て状況を説明していきました。」
「どうなったんだ。」
「どうやら、司祭一行を追跡していた騎士たちは道に倒れていた魔法師を邪魔だという理由で殺そうとしたようです。」
「大事の前の小事ということか。」
「野垂れ死にしそうだったんだから問題なかろう。」
「それが問題になりました。その男は手練れの魔法使いだったようで、殺されかけた腹いせにその場にいた全員を殺してしまったようです、そして誰の命令で俺を殺そうとしたのか訊いて回って来たらしく、先ず暗殺ギルドにあらわれ、ギルマス以外全員殺したそうです。そしてギルマスから依頼主はスリージー商会の私だと訊きだしたとのことです。暗殺ギルドのギルマスはすでに逃亡しました。私にもそれを薦めてました。」
「直ぐに冒険者ギルドから護衛を頼むべきだ。」
「信じるのですか?」
「何故信じない?少なくともはっきりするまで陛下の所に匿ってもらおう。我々は共犯だ。」
「そうですな。そうしましょう。アブデインも来るか?」
「いえ、私は一度家に帰らせてもらいます。」
「よかろう。」
よし、十分恐れさしたし、スリージー商会が王宮に行くから俺のことも伝わるだろう。そして誰も帰ってこないことから事実だと理解し、いつ襲われるかビビりまくるという展開だ。その間に教会関係者、王室関係者、スリージー商会関係者と一般人でどうしようもない奴やユリーザ大国を嵌める計画に協力した者リストを作成。嘘の教育をした奴は完全に有罪。呪いのリスト最終版だ。
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