第7話 作戦変更
作戦変更。
呪術師の死体を回収してきた。こいつに泥棒をなすりつけよう。そしてさらに欲をかいて、宝物庫に戻り全部収納してやったわ。どうせこの領主は首で国が一時的に面倒を見ることになるんだろうから、思いっきりやってやろう。ガハハハッ。
屋上でジョージと合流、また飛び立って、スラム街へと行く。どうせ一晩だし、ジョージには顔を売っておいてもらわなといけない。こいつはすぐにヒーローになるのだから。
筆談。
「お前は騎士だから、剣が使えるんだよな。どれぐらいできる?」
「騎士団の中では下の上ぐらいか。」
「サバ読んでるだろう。まあいい。この剣を明日使えよ。」
「良い剣だな。お前のか?」
「まあな。貰いものだが。」
「これは俺には良すぎる剣だ。騎士の下っ端が持つ剣じゃねーよ。普通のないのか?」
「今は無い。用意しよう。」
「話は変わるが、今後のことはジョージだけで達成したことにしてもらう。俺のことはばらすなよ。誰も信用しないかもしれないが。それともう一度ジョージには呪いにかかってもらわなくてはいけなくなった。」
「はあ!!!」
「まずは脱出しよう。話はそれからだ。」
林の中の洞窟で。
「これからすることにも呪術師が生きていることになっている方が都合がいい。バイン伯爵を叩き潰しておかないと、いつかジョージが狙われるぞ。その為にもジョージを操る黒幕的犯人が必要だ。明日、奴隷商側の証拠書類を手に入れて、しっかりした貴族に渡せばバイン伯爵は潰され、此処の領主は替わって、騎士も一新される。そのための証拠と生き証人のジョージなんだよ。幼女たちの死体を埋めたところも覚えているだろう。そのためにもジョージにもう一度呪いをかける。それと精神干渉の錯覚魔法もかける。」
「そこがわからないんだよ。呪いなんてかけなくてもいいだろうが、証拠さえあれば。」
「だめだろう。大体ジョージが呪いにかけられたことは他の騎士たちは知っているだろう。もう7日になる。生きていることがおかしい。そこで城で問題が起きて呪術師が消えてたら、呪術師が犯人と考える。そして、呪術師が生きているのに、ジョージの呪いが解けていたらジョージは呪術師の仲間なのではと疑われる。証拠なんて無いが、怪しいと思われた時点で駄目なんだよ。
ジョージは死にかけでなければいけない。それでも、何とか冒険者ギルドにでもたどり着き、手紙を信用できる貴族に渡すようにしなくてはいけないのだ。誰か信用できる力のある者はいないのか?冒険者ギルドや商業ギルドのギルマスはどうだ?」
「自信ないな。個人的に知らない人たちだし。」
「大手の商人とか?」
「知らん。」
「おい、もっと協力的になれ。」
「そんなこと言われてもな…そういえば、辺境伯のお嬢様が確か遊びに来ているとかなんとか聞いた気がする。」
「辺境伯は信用できるのか?」
「清廉潔白で仁の人だと噂では聞くし、結構厳しく自分の領地の貴族を取り締まっていると聞くぞ。その娘だから少しは信用できるし、悪い噂も聞いたことが無い。」
「で、なんで此処の領主は腐ってんだ?」
「そりゃ、ここは辺境伯の管理地ではないからだろう。」
「納得だ。それしか当てはなさそうだし。ではこれが作戦だ…。」
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