「Web小説」の問題点
「Web小説」の問題点については、この連載で何度も言っていた通りです。
それは膨大に作品が生まれ続けているのに、それを選別するシステムがランキング、新着などの一部の不完全なシステムしかないことです。
かつて書籍が、その外部の情報量の少なさから「誤配」を起こしていたのとは逆で、「Web小説」では、あまりにも情報が多すぎて判断できない、つまり「誤配」しか起こらない状況にあります。
その結果、「なろう系」などの「テンプレ」ものなどの、つまり必然的に求めるものが明白な「誤配」が起こりようのない形式しか生き残れない環境になっています。
そしてこれは、「Web小説」を知らないで、初めてカクヨムなどに来た時、それらの形式を好まない読者を遠ざけてしまう原因になっています。
彼らが初めて「Web小説」にやって来た時、どうしても初めに、「なろう系」の作品が目に入ります。でもその人は、そういったものに興味がないとします。その時、その人には実のところ他の「楽な」選択肢がありません。
自分の目で一つ一つ確かめる以外、現状方法がないわけです。
そう言ったことができる人もいるでしょうが、ほとんどの人はそうではありません。おそらくその人は、膨大な作品、情報量の前にめまいを起こし、もしかしたら、しばらくは我慢して探してくれるかもしれませんが、ほとんどの場合「誤配」を繰り返すサイトにうんざりして、遅かれ早かれ、サイトを去っていくでしょう。
想像してみてください。あなたがある物をそれを求める誰かに送りたいとして、そのサービスを利用して送ったのに、いつまで経っても、それが求める人に届かず、全然違う人に何度も届くのを繰り返すということを。
そんなサービスに信用なんてありませんよね。送り手も受け手も去っていくに違いありません。
こうして、本来あなたの作品の読者になるはずだった、新規の読み手は離れ、あなたの作品が注目を集める機会もまた一つ、失われるわけです。
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