ではどうするか?
前のエピソードまでで、Web小説において、独自性の強い自分だけの物語を書いても、ほとんど誰にも読まれないと結論付けました。
そうなるのは、
第一に、新規参入障壁がないこと、
第二に、埋もれた作品を見つけることが困難なサイトの構造的問題
第三に、作者の信頼度を測る指標、レビューが存在しないこと
第四に、Web小説という媒体と、従来の紙の本の在り方の違い
などを挙げました。そして、こうした環境の中で、最も人々の目に留まり、読まれるようになる形式が連載形式をとる「なろう系」と言われる作品群で、Web小説の構造が今日のような形であり続ける限り、今後もずっと「なろう系」が覇者であり続けると考えられます。
そしてこれは、独自の小説を書き、それを読まれたいと願う人には不都合な真実です。こうしたWeb小説の構造がある限り、たとえどんなに苦心して、「素晴らしい」作品を書き上げたとしても、まずそれらの小説が日の目を浴びることはないからです。
小説は、人によって反応が百八十度も違うような、媒体、芸術です。
あなたの作品を求める人に届けるためには、現在、多くの人の目に触れるしか方法がありません。そうして新規のお客様を呼び込むしかないのです。
でも、現状、その作品を潜在的に求める人に届ける理想的なシステムが存在しないWeb小説でそれをするのは不可能です。
そもそも、「なろう系」を書かなければ、土俵にすら上がれません。
では、独自の小説を書いて、それを多くの人に読んでもらいたいのだけど、どうしたらいいのか、というと、結局は新人賞に応募するしかないと思います。
ですが……私も経験がありますが、新人賞は本当にたくさんの数があり、その中から自分の書いたものがカテゴリーに合うのかどうか探すのも一苦労、それを乗り越えても、さらには、規定枚数、締め切り、編集部の意向、競争率の高さ、など様々な障壁があります。
そして、おそらく東大に合格するより難しい賞レースを勝ち抜いたとしても、それはスタートに過ぎず、そこからさらに作家たちとの競争を勝ち取らなければいけないのです。
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