一冊目【プロットの前に読みたい本】
『古代中国と中華風の創作事典』秀和システム
『物語づくりのための黄金パターン 世界観設定編1 中国と中華風のポイント25』DBジャパン
タイトルが違う2冊に見えますが、同じ本です。
数年前の中華資料おすすめエッセイなどに掲載されているのは上記の方で、Amazonなどでは販売終了、中古だと定価以上になっていますので、タイトルと表紙を変えて新たに出た方の購入をおすすめします。
ビギナーに役立つ一冊。
歴史や文化を知りたい、ドラマ鑑賞に役立てたい、とかではなく、創作用に特化しているので、情報が狭すぎず深すぎず、まずはこれを読んで気になるところはwebや専門の書籍で調べていくというのがいいでしょう。
ただ、中華ものでよくある題材も知らないビギナーofビギナーだと、情報が多すぎると感じるかもしれません。中華ものを書きたいというからには既に何か中華もので好きな小説や漫画ドラマがあるのでは……という前提で紹介しています。それもないビギナーofビギナーは、まず中華もの創作物をいくつか読んだり見たりする方が良いかもしれません。
内容は
・創作サンプル(プロット的なもの)
・中華風世界のベース(中国史)
・中華風世界の諸要素(政治・都市・料理・衣服・占い・学問ほか)
・中華風世界のファンタジー(創作によく使われる要素~陰陽五行・風水・キョンシー・武侠・仙侠ほか)
など、目次の項目は検索すればわかります。
ちなみに、書籍化される私の小説の主人公の職業と特殊能力は、この本を読んで気になった風習から創作しました。
そういった設定に役立つ情報がこの本から見つけられるかもしれません。
ファンタジーに出てくる特殊能力は実在はしていないのだから史実は無関係では、とも言えますが、特殊能力はその世界らしさを出せる部分でもあります。
たとえば中華ものでおなじみの武侠仙侠などは「修行によって特別な技を会得する」というベースがあって読者も受け入れやすい(なんでこんな技使えるのかなど考えずに済む)。武侠仙侠でいかにも中華ものという雰囲気を出し、技とか何とどう闘うのかなどの部分で独自性を出していけるでしょう。
お約束があるものは、まずはお約束を把握しなければならないので、私も武侠仙侠は今後もっと探っていきたいなと思うところです。
お約束の設定からではなく、情報から設定を作っていきたい場合、情報の活かし方として、この本の冒頭にある著者の創作サンプル三作が役立つかもしれません。数行でまとめたあらすじではなく、一作を6Pに渡って設定を説明しています。創作講義を受ける感覚で読めるのでは。
私はサンプルはなんとなく斜め読みになってしまいましたが……(サンプルに書かれたものは自分では書けないので)。
他人の長いプロットを読むようなものなので、役立つという人と、そうでもない人の差はあるかもしれません。
以上、プロットを作る前に読んだ方がいい一冊でした。
次回は「脳内に浮かんだ映像を文章にするタイプ」の人には欠かせないビジュアル強化に役立った本です。服装は、街並みは、室内の椅子や机、食事、移動する乗り物など、ビジュアルがはっきりしていないとぼんやりしてて文章が浮かばなくなることもあります。そんな人に役立つ一冊です。
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