第2話 本編1

 夏休みのおでかけ。やっとおでかけ。暑すぎてお外に出られなかったけど、今日は曇りだ!

 私は、小学校で初めての夏休みを思いっきり楽しみたいと、わくわくしていた。


 帽子よし、ハンカチよし、リュックの中におにぎりのお弁当よし、氷いっぱい入れた水筒よし、おてふきよし、お気に入りのおやつよし。準備よし!


 念入りに日焼け止めしてるお母さん。早く早くと玄関から急かす私。お姉ちゃんは玄関に座ってスマホ。買ってもらってからずーっとスマホでなんかしてる。よく飽きないよね。

 私は足踏みしながら、まだかなまだかなってお母さんを待っていた。猫の千夜吉ちよきちが欠伸しながら廊下のフローリングでねっころがってる。ねこがねっころがってる。ふふ。


「はい、おまたせ。ポップアップテントも持っていこうか。疲れたらテントで休憩出来るでしょう?」


 薄手のシャツで長袖、長ズボン、帽子と日焼け対策バッチリのお母さんが、バッグに色々詰めて肩にかけている。その背中へポップアップテントの袋をリュックみたいに背負っていた。


「うん! はやく、はやくいこっ」


「はいはい、ほら、お姉ちゃんももうスマホは仕舞って。道路歩く時は、よく気を付けて行くよ」


「はぁーいっ! ほら、はやくぅ」


 お外に出る前、必ず繰り返されるお母さんのお小言。道路は気を付けなさい。その途中で、お母さんの手を引っ張ってお外へ出る。

 仕方ないわねって顔して、お母さんもやっと出てきた。


 さあ、夏休み初のおでかけだ!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る