上千葉砂原公園にて、一日だけのお友達。 (SARF応募作

ちょこっと

第1話 プロローグ (1000字以内)

 もうすぐ小学校で初めての夏休み。

 私はカレンダーに毎日×印をつけて、わくわく夏休みを待っていた。


 初めての小学校で、私は毎日いっぱいいっぱい。

 新しい事がたくさんで、一学期の終わりにはくたくた。


 だから終業式から帰ってきた私は、重たいランドセルを置くとリビングに大の字で寝転がっちゃった。

 猫の千夜吉ちよきちがふんふん鼻を鳴らして近付いてきて、ぺろって私の頬を舐めた。


 さあ、夏休みの始まりだ!




 そんなわくわく始まった夏休みも、一週間したらだらけてきちゃった。


 だってお父さんもお母さんもお仕事だから。

 私はお姉ちゃんと二人、宿題して、お姉ちゃんがレンジでチンしてくれるお昼食べて、後はごろごろ。千夜吉ところころ。もう、おばあちゃんに貰った新しい本も全部読んじゃった。


 近所の公園に行きたいけど、毎日気温40度超えてるって。お母さんが、暑すぎるからダメって。どうしても行きたくて、ずっとヤダヤダ行ってたら、お姉ちゃんが一回だけ連れてってくれた。

 でも公園に着いて三分も経たないで帰る事にした。だって、滑り台も鉄棒も何もかも、料理中のフライパンみたいにあっちあちだった。料理中のフライパンを触った事はないんだけど。多分あんな感じなんだと思う。

 だから、お姉ちゃんにそれ見た事かって顔で『ね? ほら帰るよ』って言われても、悔しかったけど黙ってうなずいた。


 あ~ぁ、暑すぎてお外はダメなら、水族館とか、科学館とか、どこか遊びに行きたーーーい!




 暑すぎて、なんにも出来ない夏休み。

 たまたま曇りの日になった!

 しかもそれが土曜日だった!

 もうこれは絶対に今日しかないって感じで、朝起きてからずーっと、お外行きたい連呼する私。

 お仕事で疲れてるお母さん。お父さんは土曜もお仕事になっちゃったって。


「そうね、せっかくの曇りだし。最近暑すぎて全然お外に出られなかったもんね。よし。家からちょっと歩いたところに、上千葉砂原公園って交通公園があるの。ゴーカートとかに乗れる交通公園なんだけど、すっごく広くて半分動物園みたいらしいのよ。お馬さんにも乗れるんだって。職場の人に、良かったよってオススメしてもらったの。夏休み毎日暑すぎて外出危険なくらいだから、無理かなって思ってたんだけど。ね、今日お弁当持って行ってみようか」


 素敵すぎるお母さんの提案に、私は首がもげちゃいそうなくらい頷いて、お姉ちゃんと一緒におにぎりを作ったんだ。


 上千葉砂原公園かぁ、すっごく楽しみ!

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