あえて、手紙を使う

 いきなりですが、皆さんは最近手紙を書きましたか? 遠方の友人、家族誰でもかまいません。私はたまに書きます。年に1、2回ですが。



 技術の進歩は早く、何か情報伝達をするにはLINEがあれば十分です。LINEだけでなくメールという手もあります。「そんな時代に手紙なんて時代錯誤だ」というみなさんの声が聞こえてきそうですが、私は場合によっては手紙の方が効果的である、というのが持論です。


 LINE等はファスト、手紙の場合はスローな時と使い分けています。手紙の良いところはいくつかあります。



 一つ目。LINEなどとは異なり、長文で近況や感謝を伝えるため、その人に対してどういう思いを抱いているのか、改めて考える機会になります。


 二つ目。文章をきっちりと書く、という性質上、言葉の使い方や漢字について調べながら書くことになります。なんとなくで使いがちな言葉の意味を再認識する機会になります。普段の言い回しで間違いが多いことに気づかされます。


 三つ目。手紙はデータではなく物として残ります。受け取った相手は手元に置くことで、「そういえばこんなやりとりをしたな」と瞬時に思い出せます。データだと、昔のやりとりに遡るのは労力が伴うので、手紙ならではのメリットだと思います。


 四つ目。年配の方に手紙で感謝などを伝えると「自分たちの世代に合わせた方法にしてくれている」となるので、相手に好感を抱かせることができます。(LINEなどを使いこなせる人はこの限りではないです。)今の時代だからこそ、相手に響きますし、より印象に残るのではないでしょうか。


 最後に。手紙は自分で書きますので、字の上手い、下手がどうしても出ます。字が下手だからといって書くのをためらう必要はありません。吉田兼好も『徒然草』の中で「字が下手くそでも自分で書くべし。下手だからといって代筆させるのは良くない」と書いています。たとえ字が下手であっても、書き手の思いは伝わります。むしろ、手書きだからこそ温もりがあり、思いが伝わると言えます。



 さて、ここまで手紙のメリットを書いてきたわけですが、手紙にこだわる必要はありません。要は相手に自分の思いが伝われば良いのです。

 もうすぐホワイトデーですが、単にお礼のお菓子を手渡すのではなく、メモ用紙の大きさでも良いので少しおしゃれなふせん等に思いを書いてみてはいかがでしょうか。なかなか口頭では恥ずかしくて言えないことも書けば大丈夫です。モゴモゴとすることはありません。



 手紙にせよふせんにせよ、自分の思いを書いてみる、これはいつの時代でも大事なことかなと思います。なるほど、と思った方はぜひ実践してください。

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