第44話 世界平和のために
遂に悲願の6か国帝国軍を
惑星「フリースランド」において、6か国の帝国軍の領土は約5分の3を占めていた。終始一貫して、6か国の帝国軍を壊滅させたのは、「天の使徒」の国の国王、大和晴人と軍師のミニッツ、そして、晴人直属の7つの部隊である。したがって、晴人とミニッツには、世界平和を維持する大きな課題が重くのしかかっていた。
「ミニッツ、『天の使徒』の国以外の土地は、全体の5分の3を占める。しかも、
押しかけるだろう。農地整備もままならない状態で『天の使徒』の国の農民を開放すれば、土地の奪い合いになり、やがて紛争が起きる。なにかいい手立てや工夫はないだろうか?」
「晴人さん、私は当初、6か国の帝国軍の領土を7分割し、各部隊の隊長を領主に据え、領地経営を任せようと考えていましたが、旧キムジョン帝国があった土地の周辺と旧アルメディア帝国があった土地は、痩せています。さつま芋しか栽培できないでしょう。そうなると、領土に『格差』が生じます。その『格差』がやがて、偏見や差別感情を生み、大掛かりな領土問題になると思うんです。正直、私も悩んでいるところです。何か妙案があればいいのですが。」
「ミニッツ、この話合いに、ソフィーナを入れてもいいか?ソフィーナは思考力や発想が柔軟なんだ。そこで、ぜひ、ソフィーナを加えて話し合いたい。」
「そうですね。ソフィーナさんの意見は私も聴いてみたいです。」
「じゃあ、呼ぶね。」
「ソフィーナ、会議室に転移してきてくれ。」
「パッ。」
「晴人さん、ミニッツさんどうしたのですか?」
そこで晴人は、これまでのミニッツとの会話の内容について説明した。
「晴人さん、ミニッツ、地球はフリースランドより近代化され、文明も発達していますよね。でも、フリースランドでできて、地球では公にできないことって何でしょうか?」
「うん?・・・。」
「何だろう?」
「晴人さん、ミニッツ、魔法ですよ、『ま・ほ・う』。晴人さんも、ミニッツもモンスターズの皆もすごい魔法をたーくさんもっています。もちろん、私もヴァイオレットもですが。でも、魔法のバラエティやすごさから言ったら、晴人さんとミニッツがずば抜けていますよ。」
「ソフィーナ、魔法をどうするんだ?」
「『天の使徒』の国にも、勝ち取った5分の3の土地にも、瞬間移動できる大きな魔法陣を一気に百万個ぐらいつくりましょうよ。そうしたら、移動に苦労しません。とても
晴人とミニッツは、思わず互いに目を合わせた。なぜなら、ソフィーナのあまりにも柔軟な発想力とずば抜けた思考力に思わず、驚いたからだ。
「晴人さん、ソフィーナってもしかして天才ですか?」
「うん。天才だ。」
「晴人さん、これで行きましょう。そうすれば、国民から不満は出てきませんよ。」
「うん。ミニッツ、即、実行しよう。ミニッツ、ただし、俺、瞬間移動できる大きな魔法陣を創るのに相当な時間がかかるんだが、ミニッツはどうなんだ?」
「晴人さん、僕を誰だと思っているんですか?知っているでしょう。100万個一気につくれますよ。」
「ミニッツ。マジか?」
「はい、私のマジは、マジマジです。」
「よし、これを大念話で全国民に概要だけを説明するのは俺がしよう。」
「晴人さん、じゃあ、私は魔法地図を拡大して、ガンガン、魔法ペンでプロットしていきます。そこに、瞬間移動できる大きな魔法陣を創り、同心円状に数千個の魔法陣を創って行きましょう。可能な限り、偏りがないように創りますね。晴人さんは、農業の近代化を図るため、ソフィーナさんとヴァイオレットさんを連れて、大型の耕運機やコンバインなどを地球から物体再現魔法で持って来てもらえませんか?」
「了解した。大念話が済んだら、ソフィーナとヴァイオレットを連れて、地球に行ってくるよ。」
そうして、半年後、システムはうまく軌道に乗った。国民からの不満の声もなく、かえって喜ばれていた。国民たちは、親しみを込めてこのシステムを「ソフィーナ・システム」と名付けた。
「ソフィーナ、本当にありがとうな。これで、
「晴人さん、お褒めのお言葉、感謝いたします。そして、これを見て下さい。ジャーン!」
「はあ?コ〇ドー〇?どこで手に入れちゃったの?」
「ドラッグストアーです。キャハ。もうすぐ双子ちゃんが生まれます。そうしたら、大喜びです。晴人さんと私の愛の結晶が2人もできるのですから。」
「でも、なぜ、コ〇ドー〇?」
「子育てが忙しくて、ゆっくり夫婦の営みの時間が減ったからであります。」
「そう言えば、そうだな。」
「子どもが4人になれば、また、子育てが大変になります。そろそろ、コ〇ドー〇でセルフコントロールするのです。だって、晴人さんの爆発力はすごいからです。キャハ。」
「ギャハハハハ!ギャハハハハ!ギャハハハハ!大賛成だ、ソフィーナ。」
「晴人さんは、私がおばさんになっても、私の裸を愛でてくださいますか?」
「当り前だ。ソフィーナがおばあちゃんになっても愛でてやるのだ。チュ。」
「キャハ。嬉しいのであります。チュ。」
その2か月後、ソフィーナは双子の玉のような赤ちゃんを出産した。男の子と女の子であった。晴人とソフィーナは、「
晴人は、国政をミニッツやモンスターズに任せ、ソフィーナとともに、
「ねえ、晴人さん?『天』との約束は果たしたのでしょう。地球に帰らなくていいのですか?」
「ソフィーナ、2か月に1週間ほど帰っているじゃないか。」
「まあ、ということは、ずっとこの惑星にいて下さるのですか?」
「うん。だって、ソフィーナも
「晴人さん、本当に、本当ですか?」
「うん。俺のマジは、マジマジだから。」
「嬉しーい!最高に嬉しいです。ホッとしました。」
「こら、こら、こら、どさくさに紛れて、抱き着くな。城の皆が大笑いして見ているぞ。」
「そんなの、どうでもいいのです。ブチュ。」
「よし、俺も。ブチュ。」
完
異世界侵略国への勧善懲悪記 @jisi05080808
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