第39話 ブーチン、百万倍返し作戦に激怒する

 晴人が、「天の使徒の森」で30万の部下に「天下無双の薩摩示現流」を教え始めた頃、キムジョン帝国やロジア大帝国、ヂャイナ帝国、イスラルド帝国、ベラシル帝国、アルメディア帝国は大パニックにオチイっていた。


「プージン皇帝、大至急、報告があります。」


「どうした?ミハイル大将軍!いったい何があったのか!」


「城を他の帝国軍兵士が銃を持って取り囲んでおります。しかも、空に浮いているのです。」


「何だと!そんなバカな話があるか!」


「プージン皇帝、以前、天の使徒を名乗るパルナ・パーニャ共和国の大和晴人国王が攻撃に来たときも空を浮いていました。キムジョン帝国やヂャイナ帝国、イスラルド帝国、ベラルシ帝国、アルメディア帝国の合同スパイ暗殺部隊が本国に帰還しなかったのは、『天の使徒の国』と密約を交わし、裏切った可能性が考えられます。外をご覧ください。我々の国の軍服以外の兵士たちです。形の違う銃を持っています。」


「ダ、ダ、ダ、ダ、ダ、ダ、ダ、ダ、ダ、ダ、ダ、ダ、ダ、ダ、ダ、ダ、ダ、ダ、ダ、ダ、ダ、ダ、ダ、ダ、ダ、ダ、ダ、ダ、ダ、ダ、ダ、ダ、ダ、ダ、ダ、ダ、ダ、ダ、ダ、ダ。」


「パリン!パリン!パリン!パリン!パリン!パリン!パリン!パリン!パリン!パリン!パリン!パリン!パリン!パリン!パリン!パリン!パリン!パリン!」


「プージン皇帝、連射式の銃のようです。」


「報告します!ミハイル大将軍、敵の銃の威力イリョクスサまじく、城の外壁も破壊されています、ここにいては危険です。地下3階に緊急作戦室を設けて下さい。」


「お前たちも、銃で応戦しているんだろう?」


「はい、5個大隊の銃部隊で応戦中です。」


「ミハイル大将軍、陸軍の守備部隊を除く全部隊は、ロジア中央平原で長距離大砲を全て揃えて、軍事演習中であったな?」


「はい。そうであります。軍事演習を中止して、キムジョン帝国に20万人、ヂャイナ帝国に80万人、イスラルド帝国に40万人、ベラルシ帝国に30万人、アルメディア帝国に20万人の軍隊で直ぐに攻めよ!ミハイル大将軍、この戦争は、お主に指揮権を委ねる!鷹を飛ばして、全ての国に陸軍大将と軍師を差し向けて総攻撃させるのじゃ!」


「了解いたしました。それでは、行って参ります。」


「パルミコフ近衛隊長は、どこじゃ?連れて参れ!」


「ハハーッ。」


 それから5分後。

「プージン皇帝、パルミコフ近衛隊長です。」


「パルミコフ近衛隊長よ、地下3階に付いて参れ。」


「ハハーッ。」


「パルミコフ近衛隊長よ、今、この城に5個大隊の銃部隊長以外に士官級の将校の中に、中将は残っているのか?」


「はい、バラノフスキー中将が残っております。」


「急いで、この『鉄の間』に呼んで来てくれ。」


「かしこまりました。直ぐに呼んで参ります。」


 その30分後、パルミコフ近衛隊長がバラノフスキー中将を連れて「鉄の間」帰って来た。


「遅い!遅すぎる!バラノフスキー中将、いったい何をしとったのじゃ!」


「申し訳ありません。第二大隊の指揮官が敵の銃弾で即死したため、代わりに指揮を執っておりました。」


「して、バラノフスキー中将、現状を報告せよ。」


「はい、鉄砲部隊の多くが重症または即死しております。こちらも応戦するのですが敵に玉がはじかれてしまいます。敵に玉が命中しないのです。そして、城の最上階から4階にかけて、大破、崩落の状況です。兵士が女王及び側室、王子たちを救援に向かっているのですが、敵の銃撃に合い、即死しております。」


「何たることじゃ!わしの王妃や側室、王子たちが殺されておるのか!」


「4階以上が王妃と側室、王子や王女たちの間になっておりますので、・・・。」


「ヌワァァァァー!何たることじゃー!」




 一方、その頃、ヂャイナ帝国は、イスラルド帝国に20万の軍隊を派遣し、イスラルド帝国はジャイナ帝国に20万の軍隊を派遣し、中央の平原で一進一退の激しい攻防を繰り広げていた。また、イスラルド帝国は、ベラルシ帝国軍20万に城を包囲され、30万の部隊で応戦していた。さらに、ベラルシ帝国はアルデミア帝国軍が20万の部隊が接近中との知らせを聞き、20万の軍隊を出兵させ、国境付近で激しい戦闘を繰り返していた。加えて、ヂャイナ帝国は、ロジア大帝国のロジア中央平原にある軍事演習場の近くにあるため、ロジア大帝国の80万の軍隊を迎え撃つため、80万の軍隊を差し向け、大乱戦の状態に突入していた。



 やがて、ロジア大帝国から各国に差し向けられた軍隊が、アルメディア帝国軍やベラルシ帝国軍、イスラルド帝国軍、キムジョン帝国と激しい戦闘を始めたのである。



 それから半年後、戦火は徐々に広がり、各都市や農村でも激しい戦闘が続いた。ロジア大帝国の軍隊は、首都であるモスクワナからの兵站ヘイタンが途絶えると、恐るべきことにロジア大帝国の兵士たちが自国の村々を襲い始め、子供や女性、お年寄りを大量虐殺し、農家から大量の小麦や豚肉の燻製クンセイ、鶏肉の燻製クンセイなどを強奪して敵国と闘い続けるありさまだった。


 また、ミニッツは、ロジア大帝国に派遣した機関銃部隊をその都度転移させ、休息と食事を与えた後、繰り返し、ロジア大帝国城の攻撃を命じた。ロジア大帝国城は全壊し、プージン皇帝の住む地下3階の「鉄の間」も崩落し始めたため、プージン皇帝は、地下通路を通り抜け、400平方メートルほどの避難場所に留まっていた。その報告を受けた晴人は、ミニッツの部屋を訪れた。


「ミニッツ、俺が思った以上の悲惨な戦争を続けているな。いったい、いつまでこの戦争は続くのだろうか?」


「晴人さん、どうやら私が考えていた百万倍返しの策の第二弾、第三弾は必要ないようです。やはり、開戦当初は、長距離大砲を数百台保有するロジア大帝国が各国の城を破壊し、有利に戦いを進めていましたが、兵站ヘイタンが途絶え、大砲の玉の補充が切れた途端に、敵の突撃部隊に遭って損害を拡大していますね。まだ、キムジョン帝国もヂャイナ帝国も、イスラルド帝国もベラルシ帝国もアルメディア帝国も徹底抗戦の様相です。この戦争で最も戦慄センリツを覚えたのは、ロジア大帝国軍の兵士が自国民の農家を大量斬殺し、食べ物を奪う姿でした。自国民を大量虐殺しながらも、敵兵と闘うのですから、兵士たちはいかにプージン皇帝を恐れているのかが火を見るよりも明らかですね。」


「ミニッツ、プージン皇帝は今どこにいるんだ?」


「映像で写しますね。ちょっと暗いですが。」


「地下通路の避難所か。王妃も王子も王女も誰一人としていないな。プージン皇帝もだいぶ痩せたようだな。」


「はい、機関銃部隊の成果です。でも、家族を失って悲しんだのは30分程度でしたよ。プージン皇帝はまぎれもない『殺人鬼サイコパス』です。」


「ミニッツは、この後の作戦をどう考えているのだ?」


「まだ、各国には武器や弾薬や食料があります。それがある以上、底がつくまで戦わせるつもりです。完全に各国の国力をくします。大量に食料を貯蓄しているのは、軍の上層部と大勢の貴族です。彼らは、各国に大勢います。それを晴人さんの部隊に任せようと考えています。」


「うん。了解した。ありがとう、ミニッツ。」


「それより、「天下無双」といわれる「薩摩示現流」を30万ものモンスターズが習得したのが信じられません。」


「全員、「薩摩示現流の蜻蛉とんぼ斬り」なら免許皆伝だよ。」


「すごい成果ですね。」


「1名だけ、『薩摩示現流』の全ての技の『免許皆伝』を得たものがいるよ。」


「はあ?そんな奴がいるのか?晴人タイガーか?」


「いや、驚くなよ。ソフィーナだよ。」


「はあ?晴人さん、冗談はやめましょうよ!」


「マジだよ。マジ。俺のマジはマジマジ。」


「じゃあ、本当なんですね。抜刀術(居合)もマスターしたっていうことでしょう?」


「うん。そうだよ。ソフィーナは天才だったよ。ギャハハハハ!ギャハハハハ!」


「ソフィーナさん、赤ちゃんをゲットする前に免許皆伝をゲットしたんですね。」


「ミニッツ、なんだよ、その言い方は!まるで俺がダメダメみたいじゃないかよ。」


「晴人さん、毎晩頑張ってくださいよ。赤ちゃんを楽しみにしていますよ。あっ、そうだった。晴人さんに折り入って頼みがあります。戦争って、一度始まったらやめられないという特性を持っているんです。あと半年以上戦争が続くと思います。もうしばらく、戦火が続くと思いますが、プージン皇帝を殺すときは、ぜひ、ヴァイオレットさんに任せてあげてください。よろしくお願いします。」


「うん、分かったよ。俺もそう考えていた。モンスターズの出撃のときは連絡をよろしく頼む。その間、ヴァイオレットさんに抜刀術を教えておこうと思うんだ。」


「晴人さん、ありがとうございます。」


「いえいえ、ミニッツ、こちらこそありがとうございます。」




 夕食後、ベッドの中で晴人はミニッツに聴いた話を全てソフィーナに説明した。そうなんですね。戦争はまだまだ終わらないのですね。帝国軍は全てしつこいんです。


「ギャハハハハ!ギャハハハハ!その表現ナイスだ!」


「晴人さん、笑っている暇はありませんよ。さあ、2ラウンド目をしますよ。」


「うん。任せておきなさい。」


 夫婦の営みのクライマックスで、晴人が突然、つぶやいた。

「あっ、何の抵抗もなくスッと奥に入っていった!ソフィーナ、コツをツカんだよ。ソフィーナの子宮は、ソフィーナからみると少し右カーブになっているんだ。だから、俺は左を向けてドバッと出したら、すんなり何の抵抗なくスッと奥に入っていった感触を得たんだ。この感触は初めてなんだよ!」


「まあ、そうでしたの?しばらくは止めておいた方がいいのでしょうか?」


「いいや、ミニッツは毎晩続けろってさ。赤ちゃんができていたら、他の精子と合体することはないから安心だって。」


「分かりましたわ。私は体調の変化に気配りをしておきますね。」


「うんそうしてくれ。ソフィーナの赤ちゃんがほしいなあ~。男の子も女の子もソフィーナに似て欲しいなあ~。」


「キャハ!晴人さん、ありがとうございます。」




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