第35話 プージン皇帝の特別暗殺作戦 Ⅱ

「頼む、見つけ出して救ってあげてくれ。」


「ハハーッ。」



「我がアルジ、晴人ゴールデンゴーレムです。城は爆弾による半壊状態です。コアベイル連邦国王が鉄砲によって暗殺されていました。女王陛下は、廊下で惨殺されております。敵の暗殺部隊と交戦し、300名の暗殺部隊を斬り捨てました。第一王女のみ保護し、無事です。」


「分かった。引き続き周囲の警戒を頼む。」



「我がアルジ、晴人タイガーです。ヴァイオレット第一王女は、執事と護衛の近衛兵5名と川の上流の釣り場で確保しました。また、現在、敵300名と城の裏側で交戦中です。捕虜の確保が必要かと存じます。何名ほど捕虜を確保したしましょうか。」


「捕虜は20名でいい。ヴァイオレット第一王女は、執事と護衛の近衛兵5名を連れて、他の猛者モサにパルナ・パーニャ共和国の地下3階に転移するように伝えてくれ。」


「晴人さん、ミニッツです。パルナ・パーニャ共和国城の周囲に300名のスパイ暗殺部隊が取り囲んでおります。モンスターズの猛者たちに惨殺させましょう。」


「分かった、念話を入れるよ。」


「晴人フェンリル、パルナ・パーニャ共和国城の周囲に300名のスパイ暗殺部隊が潜んでいる。レーダー探知機腕時計で確認し、捕虜を20名確保し、残りは惨殺してくれ。そらから数名は城内の点検と確認も頼む。全て、レーダー探知機腕時計の指示に従ってくれ!」


「イエッ・サー!」



「ソフィーナ、聴こえるか?」


「はい、聴こえます。」


「全員、鉄製の地下3階の間にいます。」


「そこから一歩でも出るな、いいね。暗殺部隊が300人攻めてきている。声を出さずに、俺がいいというまで潜んでいるように皆に伝えてくれ。」


「はい、分かりました。」




「我がアルジ、晴人ゴールデンナイトです。アルゴン連邦国は、既に国王陛下と女王陛下、第一、第二王子、第一王女、第二王女が惨殺されており、敵のスパイ暗殺部隊は既に消えております。」


「晴人ゴールデンナイト、連絡ありがとう。他に王族で生存者がいないか調べてくれないか。それと、国内をレーダー探知機腕時計を用いながら超高速移動魔法、空間飛行魔法を使って、敵が潜んでいないか隅々スミズミまで確かめてくれ。発見したら、10名の捕虜を捕獲し、その他は全員、叩き斬ってくれ。」


「イエッ・サー!」



「我がアルジ、晴人ブラックドラゴンです。ダ・マール・オデッサ共和国国王陛下と女王陛下、第一王子、第二王子、第三王子は、鉄砲で心臓を撃ち抜かれておりました。また、公爵を初めとする50名の貴族が会議室で鉄砲により殺されております。現在、敵のスパイ暗殺部隊と交戦中です。敵は、レーダー探知機腕時計で確認すると330名です。勝敗が決しましたらご連絡をいたします。」


「晴人ブラックドラゴン、頼んだぞ。敵を殲滅してくれ。それから、戦闘から逃げ出した敵兵がいるかもしれない。国内をレーダー探知機腕時計を用いながら超高速移動魔法、空間飛行魔法を使って、敵が潜んでいないか隅々スミズミまで確かめてくれ。発見したら、10名の捕虜を捕獲し、その他は全員、叩き斬ってくれ。」


「イエッ・サー!」



「我がアルジ、晴人メタリックドラゴンです。アレクサンデル連邦国城は、到着したらすでに城は炎上しておりました。全焼です。水魔法で炎を消しましたが、国王陛下と女王陛下、第一王子、第二王子、第一王女とオボしき焼死体を確認いたしました。また、公爵を初めとする貴族の焼死体も多数発見されております。」


「晴人メタリックドラゴン、連絡ありがとう。国内をレーダー探知機腕時計を用いながら超高速移動魔法、空間飛行魔法を使って、敵が潜んでいないか隅々スミズミまで確かめてくれ。発見したら、全員、叩き斬ってくれ。」


「イエッ・サー!」



「我がアルジ、晴人レッドドラゴンです。ノーランド共和国城は爆発物によって、全て爆破され、跡形も残っておりません。人の指や腕、足などは発見しましたがそれ以上の人体は発見不可能です。地下通路や地下室の鉄板まで吹き飛ばされておりまして、大きな穴が開いております。王の冠の一部と思われるものは回収しましたがそれ以上の遺品は見つかっておりません。かなりの弾薬を地下に仕込んで爆破しなければこのような状態にはならないものと考えます。」


「・・・。」


「我がアルジ、いかがなさいましたか?」


「晴人レッドドラゴンよ、一生懸命調べてくれてありがとうな。俺は、一生取り返しの付かないことをしてしまったよ。くそう!他の城もほぼ全滅なんだ。」


「な、な、なんと卑怯ヒキョウな!」


「晴人レッドドラゴン、連絡ありがとう。国内をレーダー探知機腕時計を用いながら超高速移動魔法、空間飛行魔法を使って、敵が潜んでいないか隅々スミズミまで確かめてくれ。発見したら、全員、叩き斬ってくれ。」


「イエッ・サー!」



 その直後、ミニッツから念話が入った。

「晴人さん、あなたがもし、プージン皇帝だったら、この後どうしますか?」


「成果を確かめに行かせる。」


「そうです。何人規模で行かせますか?」


「20人規模だと思う。」


「私もそのように思います。」


「では、次の善後策はどうすべきですか?」


「必ず万里の長城を越えてくるはずだから、7か国の国境線に透明化スルー魔法を掛けたモンスターズ全員に見張らせて、斬殺する。」


「私もそうします。」


「では、7名のリーダーに大念話で指示をお願いします。」


「了解した。」


「ロンバルド共和国のリーダー晴人タイガー、パルマ・パーニャ共和国のリーダー晴人フェンリル、ダ・マール・オデッサ共和国のリーダー晴人ブラックドラゴン、ノールランド共和国のリーダー晴人レッドドラゴン、アレクサンデル連邦国のリーダー晴人メタリックドラゴン、アルゴン連邦国のリーダー晴人ゴールデンナイト、コアベイル連邦国のリーダー晴人ゴールデンゴーレム、私は大和晴人である。必ず敵は7か国の城壁を越えて、成果を確かめに来ると思う。おそらく少なく見積もっても20人以上だ。その成果を確かめてプージン皇帝に報告するためだ。そいつらは1人たりとも生かして返しちゃならねえ。各リーダーのもとで、万里の長城や線路づくりに携わった猛者全員に、念話を入れてくれ。『レーダー探知機腕時計と透明化スルー魔法を用いて、城壁を上って来る敵兵を全て惨殺するように。』という内容だ。


「イエッ・サー!」

「イエッ・サー!」

「イエッ・サー!」

「イエッ・サー!」

「イエッ・サー!」

「イエッ・サー!」

「イエッ・サー!」



「晴人さん、ご苦労様です。後は、結果報告を待ちましょう。」


「ミニッツ、俺は取り返せない重大な過ちをしてしまった。6か国の国王陛下と女王陛下を敵に暗殺されてしまったよ。尊い命を失わせてしまった。しかも、まだ成人になっていない第一王子や第二王子、第一王女や第二王女らの尊い命と輝かしい未来まで奪われてしまった。プージン皇帝を甘く見過ぎていた俺の責任だ。」


「晴人さん、私もまさに同じ気持ちです。私がもっと早くに気付いて、晴人さんに助言していればこの事態は避けられたでしょう。晴人さん、二人でこの取り返しの付かない過ちを一生背負って生きていきましょう。そして、早急に内政を整え、軍事改革を推し進めたら、6か国の帝国軍に百万倍返しで復讐してやりましょう。」


「ありがとう。ミニッツ。知恵を貸してくれ。」


「もちろんです、晴人さん。」


 

 それから3時間ほど経過した。モンスターズ全員の部隊長から次々に報告が入って来た。


「第4班、晴人レッドドラゴンです。ノールランド共和国に潜んでいた暗殺部隊を国内をすべてレーダー探知機腕時計で調べ、一人残らず始末しました。」


「ご苦労であった。晴人レッドドラゴン、お前に頼みがある。全ての万里の長城を越えて来る敵の確認部隊の殲滅センメツが済んだら、俺にその数を報告してくれないだろうか?」


「了解いたしました。他のモンスターズはいかがしましょうか?」


「死の『骸骨の森』に帰還させてやってくれ。」


「ハハーッ。」




「第5班、晴人メタリックドラゴンです。アレクサンデル連邦国に潜んでいた暗殺部隊を国内をすべてレーダー探知機腕時計で調べ、一人残らず始末しました。」


「ご苦労であった。死の『骸骨の森』に帰還してくれ。」


「ハハーッ。」



「第6班、晴人ゴールデンナイトです。アルゴン連邦国アレクサンデル連邦国に潜んでいた暗殺部隊を国内をすべてレーダー探知機腕時計で調べ、10名の捕虜を捕獲して後は一人残らず始末しました。」


「ご苦労であった。10名の捕虜をパルナ・パーニャ共和国の監獄に入れたのち、死の『骸骨の森』に帰還してくれ。」


「ハハーッ。」

 


「第7班、晴人ゴールデンゴーレムです。コアベイル連邦国に潜んでいた暗殺部隊を国内をすべてレーダー探知機腕時計で調べ、一人残らず始末しました。」


「ご苦労であった。死の『骸骨の森』に帰還してくれ。」


「ハハーッ。」



「第3班、晴人ブラックドラゴンです。ダ・マール・オデッサ共和国に潜んでいた暗殺部隊を国内をすべてレーダー探知機腕時計で調べ、10名の捕虜を捕獲して後は一人残らず始末しました。」


「ご苦労であった。10名の捕虜をパルナ・パーニャ共和国の監獄に入れたのち、死の『骸骨の森』に帰還してくれ。」


「ハハーッ。」



「第2班、晴人フェンリルです。パルマ・パーニャ共和国上の周囲に潜んでいた敵兵380人を斬り倒しました。20名を捕虜として牢屋に監禁しております。また、国内をすべてレーダー探知機腕時計で調べ、逃げ出した敵兵50名を一人残らず始末しました。」


「ご苦労であった。晴人フェンリルはパルナ・パーニャ共和国へ、他の者たちは死の『骸骨の森』に帰還してくれ。」


「ハハーッ。」



「もしもし、ソフィーナか?」


「はい、ソフィーナです。」


「ソフィーナは、今どこにいるんだ?バイオレットさんは、そこに転移しているかい?」


「まだ、地下室におります。バイオレットちゃんは、転移して参りました。私の横におります。」


「ロンバルド国王陛下とロンバルド女王陛下が暗殺された。このことは、俺から伝えるからね。晴人フェンリルが地下室に迎えに来たら城に上がってね。」


「はい。分かりました。」



「第1班、晴人タイガーです。ロンバルド共和国城で交戦していた敵兵全てを斬り倒しました。また、国内をすべてレーダー探知機腕時計で調べ、逃げ出した敵兵17名を一人残らず始末しました。」


「ご苦労であった。晴人タイガーと捕虜20名はパルナ・パーニャ共和国へ、他の者たちは死の『骸骨の森』に帰還してくれ。」


「ハハーッ。」



 晴人は、この事態に思わず天を仰いだ。

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