第28話 晴人、「万里の長城」の建設を始める
晴人は、夜明け前に目が覚めると、ミニッツに念話を入れた。
「ミニッツ、晴人だ。相談がある。『万里の長城』の築城を先にすべきか、7か国軍事同盟の『大型貨物列車』の開通を先にすべきか自分の中で迷いが生じている。それに、『万里の長城』の築城と7か国軍事同盟の『大型貨物列車』の開通に、無限の力を持つ『メビウスの輪』をどのように使えばよいのか皆目見当がつかぬのだ。今までこのような大規模な建設をしたことが私にはない。だから、未知の事柄について予測ができないんだ。」
「晴人さん、晴人さん一人に荷が重い仕事ばかりを背負わせてしまったことをお詫び申し上げます。晴人さん、先ずは、『万里の長城』から建設を始めましょう。その流れを説明します。第一に、死の『骸骨の森』へ行き、晴人さんの部下となった30万の魔獣たちを獣人化します。獣人化しなければ、彼らの持っているユニバースソードに付与された魔法が使えないからです。」
「ミニッツ、30万の魔獣たちを獣人化させるには、10日以上はかかるぞ。」
「はい、そこで、晴人さんは、一足先に死の『骸骨の森』に出向き、30万の魔獣に密集するように伝えます。そうしたら、次に無限の力を持つ『メビウスの輪』で『大魔法陣』をつくります。、晴人さんが『獣人化!』と唱えれば、魔獣たちは背筋が伸び、人間の指のように動かせる腕と手をもつことできます。」
「ミニッツ、俺は『メビウスの輪』で『大魔法陣』をつくった経験がないぞ。」
「晴人さん、今から念話を通して『大魔法陣』を付与します。」
「念話でそんなことができるのか?」
「はい、可能です。念話もまた脳と脳をつなげた魔法ですので。」
「わかった。よろしく頼むよ。」
晴人は、目の奥の脳が温かくなるのを感じた。
「晴人さん、完成です。『大魔法陣』が使えますよ。」
「晴人さん、手順①は、30万の魔獣に密集するように伝えます。手順②は、『大魔法陣』を出現させて、『極大獣人化魔法!』と唱えて下さい。手順③は、7か国軍事同盟の現場監督を7名、晴人さんが選出してください。そして、30万の獣人を7班に分けます。手順④は、基礎の部分を土魔法で、地面に長さ200m、幅が25m、深さが20mの穴をくり抜いてください。手順⑤は、その際に、水平にくり抜いているか、2mの長さの水平器を魔獣たちに複数使わせて、水平のチェックをしてください。水平でなければ、土魔法で削ったり、土を戻したりしてください。これが水平でない場合、『万里の長城』の表面は、
「ありがとう!ミニッツ。では、
「晴人さん、このように大掛かりの建築物には、必ずミスが起きます。そのときは、私に念話してください。解決方法を伝授します。」
「ミニッツ、本当にありがとうね。チャレンジしてみるよ。」
その後、晴人は朝食を済ませると、同行したがるソフィーナを連れて死の『骸骨の森』へ行った。
「ソフィーナ、これがモデルとして完成した『万里の長城』だよ。」
「ウワァァー!晴人さん、高いし、長いし、幅も広いですね。」
「うん。まず、これを物体再現魔法を使って増やして7か国の国境線のスタート地点に置かないといけないんだ。」
「晴人さん、私も物体再現魔法を使って増やしていいですか。」
「うん、いいよ。」
ソフィーナは、上手に物体再現魔法を使って、「万里の長城」を再現した。
「ソフィーナ、うまいぞ。よくできたね。」
「キャハ!晴人さんに
晴人はそう言うと、拡大魔法地図をソフィーナに渡して、その『万里の長城』を置いてくる場所に赤い蛍光ペンで印をつけた。
「ソフィーナは、東方諸国連合のここと、ここと、ここに『万里の長城』を置いてくるんだよ。ぼくは、南方諸国連合のコアベイル連邦国の端から置いていくから。そしたら、ノールランド共和国とアレクサンデル連邦国の国境が合わさっているところで待ち合わせしようね。」
「はい。がんばります。」
「拡大地図魔法をこうやって、人差し指と親指で広げると、ほら、実際の座標軸が見えてくるだろう?これで、『座標軸特定移動魔法』を付与すれば、そこに行けるからね。それと、『モルタル強化接着剤』は次元収納ストレージに入れたかな?」
「はい!『モルタル強化接着剤』は次元収納ストレージに入れました。では、行って参ります。」
「スッ。」
「よし、俺も行くとするか!」
「スッ。」
その30分後に、晴人とソフィーナは、ノールランド共和国とアレクサンデル連邦国の国境が合わさっているところで会うことができた。ソフィーナは、
「晴人さん、ちゃんと置いて参りましたわ~!」
「こらこら、ソフィーナ、抱き着くな!ソフィーナの胸が当たっているから、やめろ、こら、ソフィーナ!」
晴人を困らせて、照れさせるのが大好きなソフィーナは、晴人にキスをしてきた。
晴人も思わずソフィーナを強く抱きしめて、キスを受け入れた。
「ソフィーナ、もういいよね。30分もキスしているよ。唇がフニャフニャだぞ。」
「は~るとさん、私のお腹にすごく硬いものが当たっていたんですけど、ムラムラしてきたのですか?」
「はい、そうです。宇宙一、美人で、綺麗で、笑顔がキラキラしているソフィーナを妻にして最高です!」
「じゃあ、晴人さん、もう一度だけキスしましょうよ。」
「ソフィーナ、ごめんよ。そろそろ死の『骸骨の森』へ行くよ。」
「はい、分かりました。今夜を楽しみにしています。『ラジャー!』です。」
二人は、死の『骸骨の森』へ転移した。
「スッ。」
「スッ。」
「パッ。」
「パッ。」
「オオー!我らが主が来たぞ、皆の衆!」
すでに30万の魔獣たちが集まっていた。その中の晴人サイクロプスが
「我が主よ、横にいらっしゃるのは奥方様ですか?」
「うん。ソフィーナと言う。ソフィーナも『天』の使徒だよ。ソフィーナ、皆に自己紹介をしなさい。」
「はい。私はソフィーナと言います。パルマ・パーニャ共和国の女王で、晴人様の奥さんです。晴人さんと赤ちゃんをたくさんつくりますので宜しくお願いします。」
「ギャハハハハ!ガァハハハハ!ギャハハハハ!ガァハハハハ!美人なのにとても愉快な奥様じゃ!気に入りましたぞ!ギャハハハハ!ガァハハハハ!ギャハハハハ!」
「ソフィーナ、恥ずかしいことを皆に言うんじゃない。」
「は~るとさん、顔が真っ赤ですよお~!」
「こら、からかうな!」
晴人は、集まった30万人の魔獣たちにミニッツに教えてもらった手順をかみ砕いて分かりやすく伝えた。そして、
「班分けをしたいと思う。同盟国は、7か国だ。だから7か国の現場監督を選んでもらいたい。誰がいいだろうか?」
すると、晴人ゴーレムが、
「やはり、喧嘩の強いものを選んだ方がいいです。その方がトラブルが起こりませんから。」
「異議なし!」
「異議なし!」
「異議なし!」
晴人ゴーレムに異議を唱えるものは、いなかった。
「では、皆で
すると、様々な意見が出されたが多数決を取ると現場監督は以下の通りになった。
〇 第1班 晴人タイガー ロンバルド共和国
〇 第2班 晴人フェンリル パルマ・パーニャ共和国
〇 第3班 晴人ブラックドラゴン ダ・マール・オデッサ共和国
〇 第4班 晴人レッドドラゴン ノールランド共和国
〇 第5班 晴人メタリックドラゴン アレクサンデル連邦国
〇 第6班 晴人ゴールデンナイト アルゴン連邦国
〇 第7班 晴人ゴールデンゴーレム コアベイル連邦国
「では、30万の我が弟子たちよ、広場の中央に集まれ。今から全員を獣人化するからな。ユニバースソードで様々な魔法も使えるようになる。よし、集まったな。では参る。『大魔法陣』を出現せよ!そして。このものたちを全て獣人化せよ!『極大獣人化魔法!』」
すると、「大魔法陣」の周りに
「オオー!獣人化になったぞ!」
「腰にユニバースソードがあるではないか!」
「腕と足と指ができたぞ!」
「よいか、30万の我が弟子たちよ、これで以前の1万倍の強さを手に入れたのだ。それほど、お前たちは強くなったんだ。宇宙一の最強の軍団誕生だ!」
「ウォォォォォォォ!ウォォォォォォォ!ウォォォォォォォ!ウォォォォォォォ!」
「全員の次元収納ストレージには拡大魔法地図が入っている。有効に使ってくれ。早速転移して、作業に取り掛かってほしい。」
「イエッ・サー!」
「イエッ・サー!」
「イエッ・サー!」
「俺とソフィーナは、お前たちの住む死の『骸骨の森』へ行き、城壁を造る。」
「我が主よ、我々は最強の軍団ですから、城壁は要らぬかと存じますが?」
「晴人レッドドラゴンよ、お前たちの住んでいる場所は、死の森だ。そこに帝国軍が大砲で攻撃してきたらどうなる?」
「燃えてしまいます。」
「そうだ。森だから燃えてしまうだろう。だから、死の『骸骨の森』の森にも城兵器を作り、城壁の上に最新兵器を設置しようと思う。」
「ハハーッ。晴人様、有難き幸せです。」
「うむ。それでは皆の衆、取り掛かるぞ!」
「ウォォォォォォォ!ウォォォォォォォ!ウォォォォォォォ!ウォォォォォォォ!」
晴人とソフィーナは、死の『骸骨の森』に万里の長城を築き始めた。すると、そこへ各班から10名ずつの猛者が送り込まれた。
「お前たち、どうしたんだ?」
「はい、晴人様とソフィーナ様を助けてこいと言われて送り出されました。」
「そうか、助けに来てくれたのか。皆ありがとう。各班長たちは
「ハハーッ。」
晴人は折り返し、各班の班長へ念話を入れ、お礼の気持ちを伝えた。併せて、作業開始と終了は、夜明けから日没までと伝え、作業が済んだら死の『骸骨の森』へ転移するようにつたえた。そして、各班長の次元収納ストレージの中に、鹿児島特産の黒毛和牛の最上級品や焼き肉のたれ、焼酎の『魔王』と『ルイ13世』を入れておいたので、物体再現魔法を使って限りなく増やしてどんちゃん騒ぎをするように伝えた。各班長は大喜びであった。
そして、その夜も晴人がお風呂から出ると、スッポンポンになったソフィーナがベッドの上に正座をして待っていた。晴人は初めの頃は顔を赤らめて、恥ずかしそうにしていたが、徐々にソフィーナの策にはまっていき、スケベのレベルがアップしていた。
「晴人さん、もう前技はすっとばかして私の体にたっぷり発射してくださいね。」
「だめです。前技に1時間かけるように父上に命じられています。ソフィーナの体中を愛しまくってから、最後にソフィーナの体の中にたっぷりと発射します。それがソフィーナに対する敬意だからです。」
と言いながらも、速攻でソフィーナに飛び掛かっていく晴人であった。
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