第25話 晴人、西方帝国同盟軍と戦う

 晴人は、セオドア上皇とエリス上皇后と面会した後、直ぐにミニッツに念話を入れた。


「ミニッツ、聖バルド騎士団王国と神聖バルド公国と聖エディオン騎士団公国がアルメディア帝国とベラルシ帝国とイスラルド帝国によって侵略戦争を仕掛けられ、滅ぼされたことは、もはや取り返しが付かぬ。もうどうすることもできない。でも、勢いづいたアルメディア帝国とベラルシ帝国とイスラルド帝国がこのまま侵略戦争を続け南方諸国連合のコアベイル連邦軍とアルゴン連邦国とアレクサンデル連邦国にまで侵略戦争を仕掛けてきたらマズいことになるぞ。」


「晴人さん、私もそのように考えます。」


「ミニッツ、向こうの帝国軍は、アルメディア帝国とベラルシ帝国とイスラルド帝国の3か国になる。晴人タイガーと晴人フェンリルを連れて行き、3か国の軍隊を全滅させ、3か国の城や街を半壊させようと思うが、ミニッツはどう思う?」


「晴人さん、大賛成です。ただし、敵の中心国は、ベラルシ帝国です。ベラルシ帝国は、晴人さんが攻撃した方が良いと思います。それから、晴人タイガーと晴人フェンリルを、晴人さんが無限の力を持つ『メビウスの輪』で獣人化させて、ユニバースソードを持てるようにして下さい。そして、晴人さんがキムジョン帝国とロジア大帝国にしたように、徹底的に恐怖心を与えることが肝要カンヨウです。その恐怖心を与える言葉を晴人タイガーと晴人フェンリルにも伝えるように詳しく教える必要があります。」


「ミニッツ、アドバイスありがとう。ミニッツの言う通りに行動してみるよ。まず、ソフィーナとセオドア上皇とエリス上皇后と防衛軍事省副長官兼軍師のボレロにこのことを説明してから、現地に向かおうと思う。」


「晴人さん、了解しました。では、また後で。」



 晴人は、急いでソフィーナとセオドア上皇とエリス上皇后と防衛軍事省副長官兼軍師のボレロに国王会議室に集まってもらった。そして、


「ソフィーナ、セオドア上皇とエリス上皇后、防衛軍事省副長官兼軍師のボレロ執事よ、よくお聞きください。今から、アルメディア帝国とベラルシ帝国とイスラルド帝国の3か国に対して、晴人タイガーと晴人フェンリルを連れて行き、3か国の軍隊を全滅させ、3か国の城や街を半壊させ参ります。この3か国が合流し、南方諸国連合に進軍すると、このフリースランド大陸の他国に侵略戦争を仕掛けない国は、東方諸国連合のワズか4か国になってしまいます。それだけは、阻止いたします。もう時間がありませんので、行って参ります。」


「晴人さん、待ってください。私も行きます。連れて行ってください。何かのお役に立てるはずです。」


「ソフィーナ、気持ちは受け取ったよ。ありがとうね。でも、今回はスパイ活動じゃなくて、戦争なんだ。ソフィーナにはもっと薩摩示現流を習得してからじゃないと連れていけない。分かってくれ。」


「晴人さん、分かりました。行くのを我慢ガマンします。薩摩示現流を習得したら、必ず戦争に連れて行ってくださいね。」


「うん、そのときはよろしく頼むよ。」


「では、晴人タイガーと晴人フェンリルを連れて行って参ります。」


「晴人さん、必ず生きて帰って来てくださいね。必ずですよ。」


「うん。大丈夫だ、心配するな。」




 その後、晴人は晴人タイガーと晴人フェンリルを召喚し、今回の戦争の敬意と目的を説明した。その後、晴人は晴人タイガーと晴人フェンリルを獣人化した。


「我が主よ、両手が使えますぞ。」


「我が主よ、ユニバースソードを持てるようになりました。」


「うん。なかなかカッコイイぞ。魔法の付与の仕方は覚えているな?」


「はい。ユニバースソードの柄を握りながら、魔法を唱えるのですね。」


「その通りだ。では、今から、俺が言う魔法を唱えて付与しておいてくれ。数が多いからな。では、付与する魔法を言うぞ。『土魔法、水魔法、火魔法、風魔法、雷魔法、レーザービーム魔法、治癒魔法、完全治療魔法、疲労除去魔法、身体強化魔法、超高速攻撃魔法、高速物体スロー再生魔法、望遠魔法、転移魔法、座標軸特定移動魔法、超高速移動魔法、空間飛行魔法、防衛用バリア魔法、大拡声器魔法だ。』さあ、唱えて付与してみよ。」


 すると、頭脳の高い晴人タイガーと晴人フェンリルは、完璧に魔法を付与することに成功した。そこで、晴人は晴人タイガーと晴人フェンリルに具体的な作戦行動を指示した。


「我が主よ、晴人タイガーは、アルメディア帝国軍を全滅させ、城や街を半壊させ、我が『天』の使徒であることを伝え、恐怖心を植え付けて参ります。」


「我が主よ、晴人フェンリルは、イスラルド帝国軍を全滅させ、城や街を半壊させ、我が『天』の使徒であることを伝え、恐怖心を植え付けて参ります。」


「頼んだぞ、晴人タイガーと晴人フェンリル。これからは、自分で自由に獣人化できるようになったからな。戦いに応じて、もとの大きなサイズの体と獣人化の体をうまく使い分けてくれ。『天』から授かった『防衛用バリア魔法』は無敵だから、相手の攻撃は全く効かないから安心して戦ってくれ。」


「イエッ・サー!」


「イエッ・サー!」


「ミニッツ、晴人だ。ミニッツに頼みがある。俺をイスラルド帝国軍の場所へ転移させてくれ。その後で、晴人タイガーをアルメディア帝国軍に転移させてくれ。そして最後に、晴人フェンリルをイスラルド帝国軍に転移させてくれ。」


「晴人さん、3名同時に別々の場所に転移可能ですよ。」


「そうなのか。それはすごいな。では、お願いします。」


「3名を同時に転移させますからね。では、行きます。」


「スッ。」

「スッ。」

「スッ。」


「パッ。」

「パッ。」

「パッ。」




「ベラルシ国王陛下様、空に人が浮いています!」


「馬鹿なことを申すでないわ。空に人が浮くはずがない。ワシと見間違えておるのじゃろう。」


「本当です!あれは人です!」

 ベラルシ国王は、国王のテントから出て、空を見上げた。


「本当じゃ、人じゃ、人が浮いておる!」


「ベラルシ帝国軍、よく聞け!我は全宇宙を司る『天』の使徒であるとともにパルナ・パーニャ共和国の国王、大和晴人である。『天』は、他国への侵略戦争を許さぬ。『天』は大変お怒りになっておる。『天』の命令によって、ベラルシ帝国軍を全滅いたす。」


「ええい、何をしておる、鉄砲隊、撃て、撃て、撃ち落とせ!」


「パン!パン!パン!パン!パン!パン!パン!パン!」


「ベラルシ国王様、鉄砲の玉が効きません!」


「何じゃと!鉄砲が効かぬじゃと!では、大砲を用意せよ、大砲で撃て!」


「バーン!バーン!バーン!バーン!」


「ベラルシ国王様、大砲の砲弾が効きません!」


「なにー!大砲の弾丸も効かぬというのか!こやつは、化け物じゃ!全軍、退却じゃー!」


「では、天罰を受けるがいい。侵略戦争で何の罪もない人を大勢殺した罰だ、レーザービーム光線!」


「ピューン!ピューン!ピューン!ピューン!ピューン!ピューン!ピューン!」


「スパッ!スパッ!スパッ!スパッ!スパッ!スパッ!スパッ!スパッ!スパッ!」


「ウワァァァァー!ウワァァァァー!ウワァァァァー!ウワァァァァー!」


「今度は、広域雷魔法サンダーボルトを喰らえ!」


「ゴロゴロゴロゴロ、ピカ!ゴロゴロゴロゴロ、ピカ!ゴロゴロゴロゴロ、ピカ!」


「スゴーン!バチチチ!バチチチ!」


「スゴーン!バチチチ!バチチチ!」


 すると、晴人は地上に降りて、ベラルシ国王の前まで歩いていった。ベラルシ国王は将軍たちや近衛兵たちに守られていた。晴人は、薩摩示現流の蜻蛉トンボの構えから次々に立ちふさがる兵士を斬り捨てた。やがて、将軍たちも斬られ、ベラルシ国王は一人になった。


「待て、待ってくれ、金ならいくらでもやるぞ。だから、命だけは助けてくれ。」


「お前は、そうやって命いをする他国の国民たちを大勢殺したであろう。お前の命いなど許すはずがない。」


「キエーイ!」


「グサーッ!ドン!」


「よし、国王と軍隊は始末した。後は、城と街だな。」



 その頃、同様に晴人タイガーに命いをするアルメディア国王がいた。


「お前の命いなど要らぬ!レーザービーム光線で真っ二つにしてやる!」


「ピュン!」


「スッ。バタン!」


「よし、国王と軍隊は始末した。後は、アルメディア城と街だ。」



 時を同じくして、全ての軍隊を全滅させられ、晴人フェンリルに命いをするイスラルド国王がいた。


「他国民の命を虫けらのように殺戮サツリクするお主を、許すはずがない。」


「風魔法の真空波エアーカッターで死ぬがよい!」


「ヒュン!」


「スパッ、バタン!」


「さてと、後は城と街だな。」



 晴人は、一足先にベラルシ城の上空にいた。それを見ていた近衛兵や市民が大騒ぎになった。

「ベラルシ帝国の王族と近衛兵、そして、市民たちよ、しっかりと聞くがよい。我は全宇宙を司る『天』の使徒であるとともにパルナ・パーニャ共和国の国王、大和晴人である。『天』は、他国への侵略戦争を許さぬ。『天』は大変お怒りになっておる。『天』の命令によって、ベラルシ帝国軍を全滅し、ベラルシ国王を斬り捨ててきたばかりだ。天罰を喰らうがよい!」


「レーザービーム光線による連続斬撃を受けよ!」


「キエーイ!キエーイ!キエーイ!キエーイ!キエーイ!キエーイ!キエーイ!」                            


「スパッ、ドッカーン!スパッ、ドッカーン!スパッ、ドッカーン!」


「ウワァァァァー!ギャァァァァー!逃げろ!皆、逃げろ!天罰だ!天罰だぞ!」


「キエーイ!キエーイ!キエーイ!キエーイ!キエーイ!キエーイ!キエーイ!」                            


「スパッ、ドッカーン!スパッ、ドッカーン!スパッ、ドッカーン!」


「ウワァァァァー!ギャァァァァー!逃げろ!皆、逃げろ!天罰だ!天罰だぞ!」


「ウワァァァァー!ギャァァァァー!ウワァァァァー!ギャァァァァー!」


「ウワァァァァー!ギャァァァァー!逃げろ!皆、逃げろ!天罰だ!天罰だぞ!」



「いいか、よく聞け!今度、他国へ侵略戦争をしたらこの国全てを滅ぼす!繰り返すぞ、今度、他国へ侵略戦争をしたらこの国全てを滅ぼすからな!」


「では、さらばじゃ。」


「スッ。」


 晴人と晴人タイガーと晴人フェンリルによるフリースランド大陸西側のアルメディア帝国軍とベラルシ帝国軍とイスラルド帝国軍が全滅する様子を、南方諸国連合国のコアベイル連邦国とアルゴン連邦国とアレクサンデル連邦国の諜報部隊は目撃していた。そして、はっきりと、その諜報部隊全員が全宇宙を司る『天』の使徒がパルナ・パーニャ共和国の「大和晴人」であることを知ったのだった。






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