第23話 地球の侵略国から武器を奪え!Ⅲ

「ソフィーナ、ここが東京駅の大型貨物列車の格納倉庫だよ。」


「晴人さん、とっても長い格納庫ですね。」


「うん。これをパルナ・パーニャ共和国に持って行こうと思う。ソフィーナ、俺が物体再現魔法を掛けるから、この長い列車を浮遊魔法で浮かせてくれ。そうしたら、俺の次元収納ストレージに収めるから。」


「イエッ・サー!」


 晴人は、この長い大型貨物列車に物体再現魔法を掛けた。すると、即座にソフィーナが浮遊魔法で浮かせた。その後、間髪入れずに晴人は次元収納ストレージに長い大型貨物列車に収めた。その後、線路の敷石やまくら木、砂利、コンクリートの袋などを同じ方法で次元収納ストレージ収めた。


「晴人さん、もしやこの大型貨物列車をパルナ・パーニャ共和国に持って行き、東方諸国連合につなげるおつもりなのですね?」


「さすが、ソフィーナ。頭がいいね。そのつもりさ。そうすれば、食料だけでなく、人間も多民族も、ロシアから奪ってきた武器も輸送できるからね。」


「晴人さん、さすがです。すばらしいアイディアです。」


「こらこら、ソフィーナ、どさくさにマギれて抱き着いてくるな。」


「エヘヘ。」


「ソフィーナ、次は、地球でいちばん軽くて固い、『マグネシウム合金』をクレの潜水艦用造船所に取りに行くからな。」


「イエッ・サー!」


「ミニッツ、次は、クレにある潜水艦造船所の格納庫に転移させてくれ。」


「分かりました。では行きます。」


「スッ。」


「パッ。」


「ウワァー!大きな潜水艦ですね。」


「うん。こりゃあデカいな。」


「ソフィーナ、分かれて、資材格納倉庫を探すよ。『マグネシウム合金』は銀白色だから分かりやすいよ。ソフィーナは東側半分を探してくれ。俺は西側半分を探すからね。」


「イエッ・サー!」


 捜索20分後に晴人が『マグネシウム合金』を発見した。

「ソフィーナ、発見したよ。レーダー探知式腕時計で青く光っているのが俺だから、それを頼りにおいで。」


「イエッ・サー!」


「晴人さん、これが最強の『マグネシウム合金』ですか?これをパルナ・パーニャ共和国に持って帰って何に使うのですか?」


「新しい城を造る。それから、城壁の壁に貼り付ける。」


「なるほど。これじゃ、帝国軍の大砲も効かないわけですね。」


「ソフィーナ、その通り。こらこら、どさくさに紛れて抱き着いてくるなって。それより、ソフィーナ、レーダー探知式腕時計を見てごらん。もうすぐ30分前になるから転移しなきゃ。」


「イエッ・サー!」


「スッ。」

「スッ。」


「パッ。」

「パッ。」


「お父さん、ただ今戻りました。」


「お父さん、お待たせいたしました。ただ今戻りましたわ。」


「晴人、収穫はあったか?」


「はい。」


「よし、それじゃあ、北朝鮮に行くとしますか?」


「ミニッツ、北朝鮮の新型大陸間弾道ミサイルICBM『火星17』のスナンミサイル発射基地の地下格納庫に転移を頼む。」


「晴人さん、分かりました。では、行きますよ。」


「スッ。」

「スッ。」

「スッ。」


「パッ。」

「パッ。」

「パッ。」


「晴人、ソフィーナさん、よく聞いてくれ。透明化スルー魔法を時限爆弾にも付与するんだぞ。付与しなければ、コンクリートの内部に入らないからな。お父さんは、天井と床に各20個ずつ時限爆弾を仕掛ける。晴人は南北の面に仕掛けろ。ソフィーナさんは、東西の面に仕掛けてね。仕掛ける深さは30cmです。いいですね。」


「イエッ・サー!」


「イエッ・サー!」


 その約30分後。


「お父さん、任務完了です。」


「お父さん、任務完了ですわ。」


「二人ともご苦労様です。次の、フェジュンリミサイル基地とカルゴルミサイル基地も同じ方法で仕掛けるからね。」


「イエッ・サー!」


「イエッ・サー!」


「ミニッツ、スナンミサイル発射基地は任務完了です。お次は、フェジュンリミサイル基地に転移をお願いします。」


「晴人さん、了解しました。行きますよ。」


「スッ。」

「スッ。」

「スッ。」


「パッ。」

「パッ。」

「パッ。」


「やり方は同じだ。さあ、取り掛かるぞ。」


「イエッ・サー!」

「イエッ・サー!」


 その約25分後。


「お父さん、任務完了です。」


「お父さん、任務完了ですわ。」


「二人ともご苦労様です。さあ、お次は北朝鮮の最後、カルゴルミサイル基地だ。」


「ミニッツ、フェジュンリミサイル発射基地は任務完了です。お次は、カルゴルミサイル基地に転移をお願いします。」


「晴人さん、了解しました。行きますよ。」


「スッ。」

「スッ。」

「スッ。」


「パッ。」

「パッ。」

「パッ。」


「さあ、取り掛かるぞ。」


「イエッ・サー!」

「イエッ・サー!」


 その約20分後。


「お父さん、任務完了です。」


「お父さん、任務完了ですわ。」


「二人ともご苦労様です。では、中国に行きますよ。鞍山アンザン空軍基地や白蓮ビャクレン空軍基地、蚌埠バンプウ空軍基地、長沙チョウサ空軍基地に日米韓の脅威となる『最新鋭ステルス戦闘機J20』が格納されている。コンクリートで日米韓の空爆にも耐える格納庫になっているから、内側のコンクリートの深さ

15cmに時限爆弾を設置してくれ。」


「イエッ・サー!」


「イエッ・サー!」


 このようにして、晴人の父、彰と晴人、ソフィーナは、日米韓の脅威となる『最新鋭ステルス戦闘機J20』が格納されている鞍山アンザン空軍基地や白蓮ビャクレン空軍基地、蚌埠バンプウ空軍基地、長沙チョウサ空軍基地に各百二十個の時限爆弾を設置した。勿論モチロン、爆破装置を持っている彰がボタンを押せば、今すぐにでも爆破することができるのだが、第3次世界大戦に発展することを危惧キグし、万が一のときに備えて、晴人の父、彰は次元収納ストレージの中で管理することにした。


 任務が開始したのが、午前0時で、任務が全て完了したのが午前4時前だった。


「晴人、ソフィーナさん、本当にご苦労様でした。ソフィーナさん、今の地球は侵略戦争の時代なんです。何の罪もない市民の人たちの尊い命が、突然のミサイルによって失われているのです。あまりにも理不尽で残虐です。赤ちゃんや子供たち、お年寄りたちの命も虫けらのように殺されているのが現状です。そして、今、日本も危機的な状況に置かれています。軍事大国の中国と北朝鮮という独裁国家に狙われているのです。日本は、アメリカと軍事同盟を結んでいますが、アメリカは日本のために命を張る覚悟なんてあるわけがない。戦争が始まれば、日本はおそらく、今のウクライナのような状況になると私は考えています。距離があるので、大型のミサイルが飛んでくるでしょう。そして、何の罪もない大勢の国民が尊い命を失っていくのです。さらに、真っ先に死ぬのはいつも若者たちばかりです。残念ながらこれが今の日本の現状です。だからこそ、『天』から惑星『フリースランド』の侵略戦争を失くすように命じられた晴人には、本当に頑張ってもらいたい。晴人、頑張れよ。そして、絶対に死ぬな。死んではならない。これは俺からの命令だ。いいな。」


「はい、お父さん。約束します。絶対に死にません。」


「よし、じゃあ今から飲むか!」


「お父さん、今からですか!」


「当り前よ!晴人、ソフィーナさん、『疲労除去魔法』と『身体強化魔法』を自分に付与しなさい、ほれ!」


「はい。分かりました。」


「はい。分かりましたわ、お父さん。」


 すると二人は、疲れがどこかに吹き飛んだように元気になった。


「晴人、お父さんはなあ~、『物体再現魔法』を使いまくって、『ルイ13世』を持っているのだ。ギャハハハハ!飲んだことないだろう?さあ、飲むぞ!」


 晴人の父、彰は、晴人とソフィーナのグラスに大きくて丸い氷を入れて、ルイ13世を注いだ。


「さあ、飲んでみろ!」


「美味い!」


「お父さん、コクがあってまろやかですわ!素晴らしいお酒です!」


「さあ、さあ、ソフィーナさん、もっと飲んで。」


「はい、お父さん。」


 ソフィーナは、お酒がとても強かった。晴人は、ボトルの半分ぐらいを飲むとその場に眠ってしまった。しかし、彰とソフィーナは、ボトル1本ずつ飲んでもケロッとしていた。

「ソフィーナさん、晴人は優しいかい?」


「はい、とっても優しいです。」


「お父さんとお母さんは、どこで出逢ったのですか?」


「大学っていう学校だよ。」


「お父さんはお母さんのどこが好きなのですか?」


「宇宙一美人だから。それと、宇宙一優しくて思いりがあるから。」


「ええーっ、晴人さんも私に同じことを言いましたよ。」


「なにー!ソフィーナさん、それはマジですか?」


「はい、私のマジはマジマジです。」


「ギャハハハハ!ギャハハハハ!親子って似るんだな。まったく同じ言葉で口説クドいているじゃねえか!」


「お父さん、本当に偶然なのですか?」


「うん。俺のマジはマジマジです。ギャハハハハ!ギャハハハハ!」


「晴人さんのお父さんもハンサムだし、お母さんも美人ですものね。」


 そこへ、百合子がやって来た。


「彰さん、私にも一杯つくってください。」


「おお、百合子、起きたのか?さあ、『ルイ13世』だぞ、飲め、飲め!」


「お母さんとお父さんは、他の惑星に転生したときにも出逢って結婚したのですよねえ。素晴らしい運命ですわ。お母さん、お父さんってどんな人だったのですか?」


「とっても優しかったわよ。でもねえ、私の胸の谷間を見ただけで鼻血を出していたのよ、オホホホホ。いつも私の裸を見ると鼻血を出すから、私が魔法で鼻血を治療したのよ、オホホホホ。」


「晴人さと一緒じゃないですか!」


「まあ、晴人もそうなの!」


「はい。結婚してから一緒にお風呂に入ったら、お風呂が真っ赤かになりました。」


「アハハハハ!親子って似るものね。それで、ソフィーナちゃんは鼻血の治療をしてあげたの?」


「はい、お風呂のお湯も真っ赤かで、ベッドのシーツも真っ赤かなので、完全治癒魔法で治してあげました。」


「アハハハハ!アハハハハ!あれ、彰さん、静かだと思ったら、もう横になって寝ちゃってるわ。もう、彰さんとソフィーナさんたちのお布団は敷いているから、彰さんから物体浮遊魔法で運んで寝かせるわね。」


「ええーっ、お母さんも『天』に魔法を授かっているのですか?」


「そうよ、びっくりしたでしょう?彰さんが『天』に頼み込んで魔法を付与してもらったのよ。オホホホ。ソフィーナちゃんは、物体浮遊魔法で晴人を布団まで運んでくれるかしら。」


「はい、お母さん。」


「ソフィーナちゃん、目が覚めるまでぐっすり寝るのよ。」


「はい、ありがとうございます。」


 そうして、彰も晴人もソフィーナも目が覚めるまでぐっすり寝入ったのだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る