第22話 地球の侵略国から武器を奪え!Ⅱ

「晴人、ソフィーナさん、暗視スコープで周りを見てごらん。ここは既に、機関銃と大砲と戦車と弾薬の格納庫の中だよ。晴人、お父さんは透明化スルー魔法を使ってこの倉庫の外で見張りをするから、できる限りたくさんの兵器と弾薬を次元収納ストレージに入れるんだぞ。ソフィーナさんにやり方を優しく教えてあげろよ。」

 彰はそう言うとそのまま透明化スルー魔法で建物を通り抜けた。


「ソフィーナ、先ず、目の前の『カラシニコフAK22』と書かれているライフル銃とその横に置いてある『AK22専用弾』を物体浮遊魔法で浮かせて、次元収納ストレージにどんどん入れてほしい。俺は他の銃を探すからね。何かあったら念話するんだよ。」


「ラジャー!」


「あっ、コルド重機関銃がこんなにたくさん置いてあるぞ。こんな危険な機関銃は弾薬箱ごと全て奪っておこう。」

 晴人は、レーダー探知機腕時計で個数を数えながら物体浮遊魔法を使って、千丁ものコルド重機関銃を次元収納ストレージの中に入れた。そして、

 

「ロシア軍の最新戦車T90が400台も並んでいるじゃないか。よし、これも全て奪っておこう。」

 そう言うと、晴人は物体浮遊魔法を使って、次元収納ストレージの中に入れた。


「あっ、これは、大砲だ。最新型の『コアリツィヤSV自走式りゅう弾砲』じゃないか。こんなヤバい動く大砲がウクライナに配置されたら多くの市民の尊い命が、一瞬に失われてしまうじゃないか。」


「晴人さん、任務が済みました。」


「ソフィーナ、こっちに来てくれ。」


「ラジャー!」


「ウワァー!晴人さん、この武器は何ですか?」


「新型の走る大砲なんだ。この最新型の『コアリツィヤSV自走式りゅう弾砲』全てと棚に積んである弾丸の入った箱を次元収納ストレージに入れるから、ソフィーナは

このりゅう弾砲を動かすためのマニュアルを探してくれないか。この場所にないとすると、格納庫の事務室に入って探してほしい。」


「ラジャー!」


「この最新型の『コアリツィヤSV自走式りゅう弾砲』は全部で何台あるんだ?レーダー探知機腕時計で調べてみるか。なに!400台もあるのかよ。もしかして、ここの基地は一大拠点なんじゃないのか!敵兵の見回りに発見される前に、自走式りゅう弾砲と大きな箱に『コアリツィヤSV』と書かれてある大きな木箱が弾薬だな。なんて数の多い弾薬なんだ!早く次元収納ストレージに入れるぞ。」


 晴人は物体浮遊魔法を使って、次元収納ストレージの中に入れた。すると晴人の前にソフィーナが現れた。


「晴人さんの読み通りです。大型の金庫にたくさんのマニュアルがあったので、取り敢えず全部のマニュアルを次元収納ストレージに入れました。『戦車T90』と『コアリツィヤSV自走式りゅう弾砲』のマニュアルも入っています。」


「さすがソフィーナだ、ありがとう。助かるよ。」


「ソフィーナ、後は『NSV重機関銃』と『爆弾落下式ドローン』と『ミサイル発射式無人飛行機』と『爆弾落下式無人飛行機』を探すのを手伝ってくれ。この大型格納庫のどこかにあるはずなんだ。手分けして探そう。」


「ラジャー!」


「おい、晴人、ソフィーナさん、見張り役の彰だ。大格納庫に見回りに来た兵士を4人、気絶させておいた。この大型規模の格納庫だと、見回りに約1時間は必要だ。1時間後には本部に『異常なし』の無線連絡をするはずなんだ、だから後1時間以内が勝負だぞ。」


「分かりました。お父さん、ありがとうございます。」


「お父さん、助けて下さってありがとうございます。」


「晴人、お前に頼みがある。できるだけ多くの時限爆弾を次元収納ストレージに入れてくれないか?理由は後で説明する。」


「ラジャー!」


「晴人さん、『NSV重機関銃』と弾薬箱を発見しました。全て次元収納ストレージに回収します。」


「ソフィーナ、ありがとう。助かるよ。」


「あれ、この倉庫には横にコンクリートの壁があるぞ、行ってみよう。あっ、『爆弾落下式ドローン』と『ミサイル発射式無人飛行機』と『爆弾落下式無人飛行機』の格納庫だったんだ。横の棚には爆弾の箱とミサイルの箱が山積みされている。全て次元収納ストレージの中に回収だ。」


「これでよし。ソフィーナに念話を入れておこう。」


「ソフィーナ、『爆弾落下式ドローン』と『ミサイル発射式無人飛行機』と『爆弾落下式無人飛行機』の格納庫だったんだ。横の棚には爆弾の箱とミサイルの箱は全て次元収納ストレージに回収したからね。」


「晴人さん、時限爆弾がたくさんあります。来てください。」


「分かった、すぐ行くよ。」


「本当だ、すごい数だね。」


「晴人さん、全て次元収納ストレージに回収しますわね。」


「うん、ありがとう。」



「晴人、ソフィーナさん、今、40分経っているけど、進捗シンチョク状況を教えてくれ。」


「お父さん、完了です。時限爆弾はソフィーナが全て回収しました。」


「そうか、ソフィーナさんもなかなかやるじゃないか。」


「じゃあ、そろそろ集合するぞ。」


「ラジャー!」


「ラジャー!」


「ロシア軍に格納庫が空っぽになったことがバレる前にトンズラするぞ。」


「ミニッツ、晴人だ。任務完了だ。実家へ転移させてくれ。」


「晴人さん、ソフィーナさん、彰お父さん、ご苦労様でした。それでは転移します。」


「スッ。」

「パッ。」


「スッ。」

「パッ。」


「スッ。」

「パッ。」


「ふう~。無事に転移することができたね。晴人、ソフィーナさん、かなり緊張しただろう。次は、真夜中の午前2時に北朝鮮の軍事基地に行くから、体を休めておきなさい。」


「イエッ・サー!」


「イエッ・サー!」


「彰さん、晴人、ソフィーナちゃん、ご苦労様でした。昼食を作っておいたから召し上がってください。」


 3人は、母の百合子が作った手作りのハンバーグを食べた。

「お母さん、このハンバーグ、とても美味しいです。ありがとうございます。」


「ソフィーナちゃんが、喜んでくれてよかったわ。」



 

 その後、彰と晴人とソフィーナは、昼寝を兼ねて仮眠を取り、北朝鮮と中国行きに備えた。

 夕食を食べ終えると、晴人は、ミニッツに念話を入れた。


「ミニッツ、俺だ、晴人だ。北朝鮮から奪うべき武器はあるのか?」


「晴人さん、残念ながらミサイル以外は、旧式のソ連製時代のものが多いです。奪うと地理的にも国際紛争になりかねないお国柄クニガラですので、スナンミサイル発射基地、フェジュンリミサイル基地、カルゴルミサイル基地に新型大陸間弾道ミサイルICBM『火星17』が地下格納庫に各10発ずつ配備されています。その地下格納庫の上下左右の壁面に、透明化スルー魔法を使って時限爆弾を各壁面に20個ずつセットします。万が一、戦争が始まれば彰さんに時限爆弾のスイッチを入れてもらうことにしましょう。」


「よし、分かった。それがいいと思う。では、中国に対してはどう動けばよい。」


「晴人さん、中国を調べると、あまりにも軍事基地が多すぎて、開いた口が塞がりません。強いて言うなら、日米韓の脅威となる『最新鋭ステルス戦闘機J20』が鞍山アンザン空軍基地や白蓮ビャクレン空軍基地、蚌埠バンプウ空軍基地、長沙チョウサ空軍基地に20機ずつ配備されていますが、この戦闘機が突然消えてしまうと第3次世界大戦に発展しかねません。したがって、北朝鮮の格納庫のように、上下左右の壁面に、透明化スルー魔法を使って時限爆弾を各壁面に20個ずつセットします。万が一、戦争が始まれば彰さんに時限爆弾のスイッチを入れてもらうことにしましょう。」


「ミニッツ、新型大陸間弾道ミサイルICBM『火星17』と『最新鋭ステルス戦闘機J20』も本体内部に時限爆弾を仕込んだらいけないのか?その方が爆破するには確実だろう?」


「晴人さんのおっしゃる通りです。そかし、目視点検ではバレないで済みますが、レーザー光線や赤外線装置などの検査でバレてしまいます。」


「なるほどなあ~。ミニッツ、よく理解できたよ。父とソフィーナにはちゃんと伝えておくからね。明朝午前2時、よろしく頼むね。」


 彰は、夕食後、父の彰とソフィアに声を掛けて、今夜の作戦を話し合った際に、ミニッツの情報を伝えた。


「晴人、ありがとうな。ミニッツの言う通りだ。ロシアに行った作戦内容とは全く異なる。ロシアでは、兵器そのものの存在が無くなるから見張りが必要だったが、今回の作戦は見張りが来ても兵器そのものの存在はあるから難易度は、ロシアよりも低くなったな。晴人、ミニッツに時間帯の変更を伝えてくれ。明朝午前2時じゃなくていい。午前0時に変更だ。今から3時間後に行動だ。2時間ほど体を休めておけ。」


「お父さん、午前0時の30分前までには、帰宅しますので、ソフィーナを連れて、東京に行かせてください。貨物列車の格納庫で、貨物列車全てと敷石、まくら木、砂利、コンクリートなどに物体再現魔法をかけて、次元収納ストレージに入れて、惑星『フリースランド』に持って帰ろうと思います。それから、潜水艦用造船所に行き、タングステンより強度の強い、『マグネシウム合金』に物体再現魔法をかけて、次元収納ストレージに入れて、惑星『フリースランド』に持って帰ろうと思います。」


「晴人、お前の考えていることは分かっている。行って来い。」


「はい、ありがとうございます。」


「ソフィーナ、理由は後で話す。戦闘服に着替えてくれ。」


「イエッ・サー!」


 その30分後。


「ミニッツ、晴人だ。作戦の時間帯の変更だ。北朝鮮は明朝午前2時から午前0時に早くなったったよ。それから、今から東京駅の大型貨物列車の倉庫にソフィーナと二人で行きたい。転移させてくれないだろうか。」


「晴人さんの考えが読めましたよ。それでは転移します。」


「スッ。」


「パッ。」


「おい、ソフィーナ、透明化スルー魔法を付与していないじゃないか。皆にバレバレだよ。」


「スッ。晴人さん、ごめんなさい。」





 北朝鮮と中国に行く前に、東京駅に現れた晴人とソフィーナ、晴人は、いったい何を考えているのでしょうか?





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る