第7話 晴人、在野の有能な人材を集める
「晴人さん、ミニッツです。パルナ・パーニャ共和国の国王となられた今、晴人さんがいかに優秀な人物であっても、この国の全てを執り行うことは無理でございます。
そこで、未だに採用されておらぬ在野の有能な人材を集め、本国の役職に就任させることを進言します。」
「ミニッツ、さすがに『天』の息子だな。俺もそう思っていた。日本の官僚制度を見習って組織を立ち上げようと思うが、いきなり、パルナ・パーニャ共和国に日本の官僚制度を確立すれば、大混乱を招く恐れがある。そこで、その基盤になる組織を作りたいと考えている。俺が考えているのは、①国家警察庁、②戦略情報省、③防衛軍事省、④課税徴収省、⑤財務省、⑥教育省、⑦農業振興省、⑥用水路整備省、⑦道路整備省、⑧上下水道省、⑨国家法律整備裁判省、⑩病院治療省なんだ。ミニッツ、どう思う?」
「はい、大賛成でございます。この国には、ちょうど100の村がございます。そこに、スクリーン投影画像魔法を使って、晴人様が説明し、『天啓の瞳』を用いて面接を行い、各組織に振り分けるのです。特に優秀な人材にはその組織の長に
「ミニッツよ、善き考えだ。先ず俺が、『メビウスの能力』を用いて、①国家警察庁、②戦略情報省、③防衛軍事省、④課税徴収省、⑤財務省、⑥教育省、⑦農業振興省、⑥用水路整備省、⑦道路整備省、⑧上下水道省、⑨国家法律整備裁判省、⑩病院治療省を建設しておこうと思う。次に、『地球移動魔法』を用いて日本から大規模なソーラーパネル基地とパソコンやパソコンの機器類を『物体再現魔法』を用いてコピーし、それをこの国に導入しよう。その電力を各省に供給し、職員が働きやすい環境を整えることとしよう。また、この国全ての貴族から農民までソーラーパネルとLEDを無償で与え、夜間でも家事や作業ができるようにしたいと思う。そして、これまで述べた内容を『スクリーン投影画像魔法』で説明しようと思う。」
「晴人さん、大賛成でございます。それで、いつから始める予定ですか?」
「今からだ。」
「はい?今からですか?」
「そうだ。『善は急げ』と言うからな。」
「ハハーッ。恐れ入りました。」
すると、晴人は早速、各省の候補地を見に行き、最も適した平坦で広い場所に、無限の力を持つ「メビウスの力」を用いて、①国家警察庁、②戦略情報省、③防衛軍事省、④課税徴収省、⑤財務省、⑥教育省、⑦農業振興省、⑥用水路整備省、⑦道路整備省、⑧上下水道省、⑨国家法律整備兼裁判省、⑩病院治療省の大きなビルと大規模なソーラーパネル基地を建設した。
さらに、『地球移動魔法』を用いて日本へ出向き、様々な電化製品店からパソコンやパソコンの機器類、デスク、チェアー、コピー機、電球、家庭用ソーラーパネル、LEDなどを『物体再現魔法』を用いてコピーし、次元収納ストレージに入れて持ち込んだ。
そして、『スクリーン投影画像魔法』を用いて、30人の貴族に自分の姿を映し出し、話しかけた。
「現パルナ・パーニャ共和国国王の大和晴人である。全貴族たちに申す。今は食糧問題と財政問題を抱えた国難を迎えている。したがって、全貴族は、領地の人間や異民族たちから5年間、税金を招集することを禁ずる。その代わり、国王である私が、5年間分の税金に相当する金貨を領主に与える。今から2週間以内にパルナ・パーニャ城に取りに参れ。それから、現在、世界各地で侵略戦争が起きている。そこで、そなたらの貴族の地位と身分は保証したままで、陸軍長を兼務させる。侵略戦争で功を上げた貴族には昇級させるシステムを採用するの励んでもらいたい。以上である。」
「オオー!領地の人間や異民族たちから税金を5年間徴収しない代わりに、我々貴族に5年間の金貨を与えるそうだ!何と素晴らしい国王陛下だ!しかも、戦争が起きれば陸軍長を兼務して、功を上げれば、昇級できるチャンスが与えられたぞ。素晴らしいことじゃないか!」
と多くの貴族たちが喜び、パルナ・パーニャ城へ出向き、金貨を受け取ったのである。
「なんと、こんなに金貨が入っているぞ!さすがは全宇宙の『天』であるホワイトドラゴン様の使徒、大和晴人国王陛下だ。これで我々貴族の暮らしも豊かになるぞ。誠に有難い国王陛下だ。」
という噂が貴族中に広がったのである。また、その1か月後、晴人は貴族も含めた全国民に向かって、『スクリーン投影画像魔法』を用いてこの国の行く末について話しかけた。
「現パルナ・パーニャ共和国国王の大和晴人である。今は食糧問題と財政問題を抱えた国難を迎えている。したがって、全貴族に対して、領地の人間や異民族たちから5年間、税金を招集することを禁じた。その代わり、国王である私が、全貴族たちに5年間分の税金に相当する金貨を領主に与えた。5年間は、領地の人間や異民族は領主である貴族に税を支払う必要はない。また、この国は、人口が少ないため、屯田兵制度を採用する。普段、農民は、耕作者として主にさつま芋などの作物を育てるが、戦争になった場合、兵士として採用する。これは、一般市民にも導入する。その代わりに、兵士になった1か月に付き、普段の生活費の3倍のお金を支払うものとする。そして、人種や身分、地位などを問わず、才能のある人材を登用する。人材登用に募集したい者は、2週間後にパルナ・パーニャ城にて、この私が直接面接する。その後、
全体の場で、部署を発表する。どのような部署に配属されるかは私の判断によるものとする。仕事の内容は追って通知するものとする。そこで採用された者は、住まいと衣類と食べ物を無償で与え、役職に応じた金貨を授ける。財務や犯罪人の取り締まり、用水路事業、道路事業、など様々な分野がある。奮って応募することを規定して待っておる。最後に、貴族領主に連絡をする。太陽の光を取り込み、灯りに変える道具を全国民に支給する。貴族領主は、家庭の件数を正確に把握し、荷馬車を数台準備して道具をパルナ・パーニャ城に取りに参れ。その道具の名前は、太陽光発電パネルとLED電球という。説明書を添えておくため、それを呼んで全家庭で設置してほしい。以上である。」
「パッ。」
この『スクリーン投影画像魔法』による話の内容は、全国民に喜ばしい話題とともに大きな話題にもなった。領主から太陽光パネルとLED電球をもらった国民たちはその光の眩しさに驚いた。光魔法が使える家庭は夜にもその魔法を使って暮らしていたが、光魔法が使えぬ家庭は大喜びしたのだ。しかも、光魔法よりも眩しく、明るかった。
そして、人材登用が始まろうとしていた。各領地から7000人もの人間や他民族が集まり、城内はもちろんのこと、城外にも数kmの列ができていたのである。しかし、晴人の面接は早かった。なぜなら、『天啓の瞳』を用いて、適材適所の人材を瞬時に見抜いたからである。
面接が全て終了すると、7000人の人間や多民族の募集者が城内の中庭に集められた。
そこへ、執事のボノが現れ、マイクを使って名前が発表された。
①国家警察庁を発表する。
国家警察庁長官、鬼人族のレッドン
同じく副長官、鬼人族のゼドル
同じく事務官、カーセル、ノア、ブルート、獣人のライオネル、獣人のボア、鬼人の
ゴールマン、ハイエルフのジェニファー、エルフのリリア 以上である。
②戦略情報省を発表する。
戦略情報省長官、ジ・エッジ
副長官、龍人族のドラゴル
事務官、ラリーマン、クレイトン、マコーミック、エバンス、鬼人のジルド、ハイエルファーのソニア、ハイエルファーのメリッサ、エルフのマリアン 以上である。
③防衛軍事省を発表する。
防衛軍事省長官、パルナ・パーニャ共和国 大和晴人国王
副長官兼軍師、パルマ・パニーニャ共和国 ボノ執事
近衛兵将軍、龍人族のブルース
陸軍総大将、ウイリアム公爵
陸軍大将、ルーカス侯爵、オリバー侯爵、ヘンリー伯爵
陸軍長は、爵位を持つ26名とする。
空軍総大将、龍神族のゴルド
空軍大将、リザードマン族のリザドル、リザードマンのローガン
このようにして、④課税徴収省や⑤財務省、⑥教育省、⑦農業振興省、⑥用水路整備省、⑦道路整備省、⑧上下水道省、⑨国家法律整備兼裁判省、⑩病院治療省に選ばれた人や多民族の名前が発表された。
「最後に、諸連絡事項を伝える。」
とボノが発言した。
「各省庁の人員は、これでは足りないと、大和晴人国王は申している。各長官と副長官は、必要に応じて人材募集をし、優秀な人材を採用してほしい。何か困ったことがあれば、軍師兼執事の私に相談してほしい。仕事を開始するのは、2週間後の月曜日とする。それまでに自宅へ戻り、引っ越しの準備をしてほしい。家族同伴の者は、家族も一緒に連れてきてもらいたい。それから、陸軍総大将のウイリアム公爵や陸軍大将のルーカス侯爵、オリバー侯爵、ヘンリー伯爵は、防衛軍事省の近くにお住まいなのでご自宅から通っていただきたい。以上です。」
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