5-6

 寒い、お布団から出るのが億劫。今日の昼間は暖かくて春の兆しが♪なんてニュースで言ってるけど、朝から兆してくださいよ……。朝ご飯を食べ終わって部屋に戻り、出発までもう一度布団に包まっていたら、眠ってしまっていた。


「鏡花!何寝てるの、もう学校行く時間でしょ」

「ふあぁ~、……すぴー」

「からかってるのか!」


 頭をはたかれて、反射的に飛び起きる。ただ眠かっただけなのに、そんなに罪なことなのかな。はーあ。目をこする気にもならない。


「ところで常葉ちゃん来てるよ」

「へへっ?なぜ?」

「なんでって……。鏡花と登校するためじゃない?」


 そりゃそうだろうよ……待って、本当にそうなの?常葉お姉ちゃんのことだから、常識なんて通用しない。まあ、振り回されたら頭も冴えると思って、前向きに生きる。


 それで、私の二度寝のせいで、ちょっと駆け足でバス停に向かう羽目になったけど、いつもの時間のバスに乗る。それにしても、早めにインターフォンを鳴らしてくれるとか、そういう優しさはないものか……。幼馴染が縁佳だったら良かったのに。


 バスはほぼ始発で空いてるので、一番後ろの長座席に並んで座った。


「おはよぅー」

「うん、学校とは真反対の方角なのに、どうしてわざわざ来たの?」

「核心に迫るぅ、良質な素人質問だねぇ~。鏡花と登校するためだよぉーん」


 感慨深さなんて、あるわけ無かった。それがあるんじゃないかって思った自分が恥ずかしくなった。それが狙いってことか……やれやれ。


「いよいよ卒業だねぇ。寂しくなるねぇ、常葉お姉ちゃんがいなかったらぁ、誰を頼ればいいんだぁーっ、うんうん、でも安心してぇ、文明の利器でいつでも通話できるからぁ」


 前に聞いた恐らく確からしい親の話だと、関西の難関大学に受かったらしく、実家から巣立っていくつもりらしい。うーん、確かに、常葉お姉ちゃんとは生きてて住む街も違えたことはない。まあ、それが寂しいかは微妙だった。もし学校に誰も友達がいなかったら、微妙に微妙度合いが下がったかもしれないけど……。


「寂しい?ねぇ、寂しいって言ってよぉ!」


 常葉お姉ちゃんが必死に揺さぶってくる。バスの揺れと合わさって、おまけに朝だし、気持ち悪くなってくるから勘弁してほしい。


「嘘ついて舌抜かれたら、味がわからなくなるからやだ」

「じゃあ寂しくなるようにしてあげるっ」

「変なことしないで、波風立てずに卒業してよ」


 で、退屈な卒業式は眠気との戦いで、両者痛み分けに終わったところで、式が終わったら先輩との別れを惜しむわいわいがやがやタイムが始まる。もちろん、私には惜しむ相手がいないので、教室で一人座っているつもりだったのだけど、スマホを開いたら常葉お姉ちゃんに東門に来るよう連絡が入っていた。かわいい後輩たちに、送り出されなくていいのかな。曲がりなりにも生徒会長だったわけだし、それなりに人望はあるはずなんだけど。


 しかし、私の中で常葉お姉ちゃんに関しては、まっいいかで済ませるような存在で、別にそうしたい訳じゃなかったけど、廊下で泣いてる人の横を通り抜けたり、一階の吹き抜け部分で記念写真を撮ってるのを遮ったりしながら、校舎の外に出た。こんなに寒いのに、外でも枝だけの銀杏の木の下で色々やってる。この学校に温もりを持たない私を、誰か温めておくれー、と棒読み気味に心の中で呟きながら、待ち合わせ場所に向かった。


 東門は基本的に教職員が使用する校門で、ここまでは祝辞も門出の希望もおめでたさも届かない。いつも通り物静かで薄暗くて、車を止める場所以外には掻き分けた雪が凍り付いていた。すぐそこにゴミ捨て場があって、色々あったなーってちょっと卒業生っぽい感想をいだいた。あと二年は現状維持ですが。


「こっちこっちぃー」


 常葉お姉ちゃんが、門の外から大きく手を振る。何となくで走ろうとしたら、凍る地面に足元を掬われそうになった。


「あれ、これってどういう……」

「なっなんでここに平島さんがいるの……」

「私が聞きたい。暇だったからいいけどさぁ」

「はぁーい、行くよぉー」


 常葉お姉ちゃんは拳を突き上げて、私たちの疑問などいざ知らず、ずかずか先導していく。私たちは何だかわからないまま、後ろに付いていかざるを得なかった。


「どこに向かってるの?」

「目的地があったらお散歩じゃなぁーい」

「教えてくれるわけないよ……、うん」

「えぇー、この人、相当やばい人なんじゃ……」

「今さら?」


 こんな気まぐれ、生温いほうだと思ってたけど、苦笑いする縁佳に感覚が麻痺してることを思い知らされる。


 しかし、常葉お姉ちゃんさえいなければ、縁佳と二人きりで街を歩いていることになる。クリスマスの時以来だろうか。こんな機会はそうそう無い……いや自分から誘えばいいだけなんだけど、しかし刑部にかき回された余韻が邪魔をして、まだお互い避け合ってたから、これはチャンスでありまして、なので……だから、縁佳の横顔をいっぱい拝んでおこうと思った。首が寝違えたように痛くなっても、縁佳のせいなら尊い犠牲だ。


「うーん」

「ひゃふっ」

「どうかした?」

「何でもない……」

「いやさ?これって同じ場所をぐるぐる回ってたりしないよね?」


 わざわざ大通りを外れて、地元の方々の生活道路みたいなのを、延々と渡り歩く。常葉お姉ちゃんはそういう事もする。よく分かってるじゃん。それはそれとして、急な瞥見は心臓に悪い。もう少し気を遣ってほしい。


「残念ながらぁ、目的地はありますぅ」

「残念って。散歩じゃないんかい」

「ちなみにぃ、行きたい場所はあるぅ?」

「は?えっとまあ、無難にスーパーかな。買い物しないと。今、家に何もないから」

「いいねぇ」

「よっよくないよ!」


 反射的に、大きな声で人様の会話を遮っていた。そんな事をしたら、縁佳の注目を集めてしまう。……まあいっか、心臓だって無限に血圧を上げられる、エネルギー保存則を破った存在じゃないわけですし、これくらい我慢するし、もやもやしちゃったし。


「そ、そうだねー。金曜日はお肉が安いとか、どうでもいいよね」

「んー、じゃあ今日の夕飯は生姜焼きかな」

「親がどこのスーパーで買い物してるかにも依るでしょ」

「それもそっかー」

「ふぅーむ、そう言えば前に話題にしたあんみつ、まだ食べに行ってないよね」


 写真を思い出すだけで涎が出てくる。しかしそれは、実物とのギャップにしょんぼりする危険な兆候だった。それより、ここでそれが話題に上がるとは、虚を衝かれた。斥力を感じて、そっぽ向かされた。


「覚えてっ、たんだ……」

「え?うん、覚えてるよ」

「そんなこと、忘却の彼方かと思った。刑部の件で」

「まさかね。島袋さんが楽しそうにしてたことまで、忘れたりしないよ」


 縁佳は得意げな顔で追撃してくる。そんな必定の理にも、特別な何かがあるような錯覚が見えてきた。錯覚が現実ならいいのに。とりあえず、軽く反撃してみる。


「でも、甘い物は克服してくれないよねっ」

「いやいや、最近は白米をよく噛んで食べるところから始めてる」

「そ、そんなペースじゃあ、一生克服できないよっ」

「ぐあぁー、正論だぁー」


 縁佳が苦虫を噛み潰したような顔をする。一矢報いれたらしい。


「私もぉ、縁佳の抗えない上司になってぇ、甘い物を強要したいー!」


 常葉お姉ちゃんが前を向いたまま、ふいにパワハラ宣言をする。縁佳と二人きりで喋っている気になっていたから、それなりにびっくりした。妄想と現実の区別もつかなくなっている自分自身にも。


 それで、いくつもの名も無き交差点を曲がった結果、白山神社に辿り着いた。しかし、無駄に遠回りを強いられたので、ここに到着しただけでヘトヘトだけど達成感がある。


「お参りするってこと?」

「そう。私の門出に幸多からんことを、二人もお願いしてほしくてぇ」


 参道の両側に生い茂る松の木と、台座だけで私の身長ぐらいある灯篭に、この道が聖域に繋がっているのだと感じさせられる。そして荘厳な佇まいの隋神門が迫ってきて、記憶がいろいろ蘇ってくる。七五三とかお祭りとか初詣とか、人生において一年に一度ぐらいは、境内に足を踏み入れているものだ。でもそれは全部ハレの日ばかりで、幽静な姿は初めてかもしれない。ついでに、家族が同伴してないのも初めてだった。


「はーい、考えとく」

「え?自分のお願い事をしてもいいの!?」

「そりゃあ、自由でしょ。普通・平等・秘密祈祷よ」

「なぁに鏡花、私に感謝しちゃうほど願いたいことでもあるのぉ?」


 常葉お姉ちゃんが正統派のにやにやで、こっちを見てくる。前向いて歩かないと危ないよーって注意したくもなったけど、常葉お姉ちゃんがそんなドジをしてるところを目撃したことがなかった。


 神社の鳥居をくぐった時から、自己本位な私は何を発願するか、思索を巡らせていた。私たちも進級するわけで、それに伴うイベントと言えば、クラス替えがある。今は同じクラスだから、頑張れば話しかけられるし、勇気が足りなくかったとしても、ぼけーっとした姿態も、しゃきっとした姿態も眺めることはできるし、だけどクラスが違ったら、少なくとも受動的には何も起こらないだろう。いつしかそんな経験をしたような気もするし。


 結局、私たちの縁はそんな不確かなものに過ぎない。それは、今回のもらい事故?事件?で明らかになった。そもそも刑部ほど親しい人とも、いざこざが生まれるんだから、私との関係など雨風に揉まれるまでもなく、道端の残雪のように、時が来たら消えてしまうだろう。錆びた鎖を、一人で愛おしそうにする自分が目に浮かぶ。ありもしない紐帯に翻弄されて、未練を自分で断ち切れなくて、そんなみっともない自分は確かに存在する。


 だからこそ、ここで終わらせたくない。友達を、大切な人を一人失って嗚咽するのを克服するより、失わないようにする努力のほうが、前向きで幸せになれる。それは縁佳の歩んだ轍なのかもしれないけど、縁佳を失いたくない気持ちのほうが強いから。そういうわけだから……こんなに長々と決意表明を書いておいて、やることを一言でまとめれば神頼みだった。まあ、できることなら何でもやろう。


「あっ、えと、平島さんと、来年も同じクラスがいいなぁ……なんてっ、思いましたっ」


 いざ二人の前で言葉にしてみると、面映ゆいことこの上ない。まっすぐ縁佳の姿を見据えられないのはもちろん、背中からぞわっとした感覚が広がった。きっと全身の細胞に殉死を命じているのだろう。こんな体たらくで、果たして神前で上手く願えるのだろうか。先が思いやられるなぁ、あと舌痛い。


「そっか。じゃあ私からも祈っておくよ。期待しといて、島袋さん」


 縁佳がさっと微笑む。一瞬にして全てを気遣って、私を安心させてくれる。いつもそうしてくれるから、これからも隣でそうして欲しい。


 さっき口に出してしまったけど、賽銭箱に百円玉を投げ入れて、もう一度真剣に祈る。これは死活問題なのだ。手と腕が直角になるほど強く手を合わせて、邪念を捨て去って、縁佳よりも長く祈ってみせる。


 拝殿を覆う大樹が風に吹かれて音を立てる。神に願いが届いたと解釈して、私はゆっくり目を開けた。見計らったかのように、縁佳も呼応して目を開ける。でも、かつての私のように、未練を引き延ばした遠い目を覗かせた。下唇を突く中指を、名残惜しそうに離していく。とりあえず、いつまでも縁佳の横顔を堪能してないで、一礼を済ませて後ろに下がろう。


「あれ、あの人は?」

「常葉お姉ちゃんのこと?」


 縁佳の疑問に、私も辺りを見回す。最後までいたずらたっぷりな人だ。というか、神前で何をやってるんだって話だけど。


「私たち、長く祈りすぎたのかな……」

「神隠しかもよ」


 あんな奴、隠されてしまえって思ったりしたかもしれない。


「一応、探す?」

「このまま学校に戻ってもいいんじゃない?」

「どうかなぁ。探させる迷惑を掛けたがってるような気がするけど」

「どんな気配だ……」


 常葉お姉ちゃんが変なのはどうでもいいけど、なんと縁佳と二人きりになってしまったわけで、えーっと、どどっどうしたら良いんだろう、もちろんっ二人でこのまま戻るも一興、しかし常葉お姉ちゃんが追いかけて台無しにしてくる可能性も勘案したら、探したほうが結果的に一緒にいられる時間が長く……うあああどーしよーっ。


 再び辺りを見回して、さも探しているかのように振る舞うことで、懊悩しているのを悟られないようにしていると、こんな時でも頼れるのが縁佳で、迷わず社務所に向かっていった。


「来た道を走ってたってさ」

「うん、うん」


 歩き始めながら、私は馬鹿みたいに頷いていた。何かを懸命にアピールするように。


「なんか、大丈夫?」

「はっ、全然問題ないっ。元気っすよっ」


 縁佳に心配されたら舞い上がっちゃって、変な語尾になった。


「一応、しばらくお別れなわけじゃない。だから、心細いと感じてるかなーって」

「別に、常葉お姉ちゃんはいてもいなくてもいい。そういう存在」

「淡々としてるよねぇ」

「あっ、平島さんは消えないでほしい、精神衛生上重要な役目を担ってるので……」


 そんな補足をしたら、顔が熱くなった。二人きりになることを所望した覚えは大ありだけども、毎度何かしら口を滑らせるから骨が折れるのだ。まだ気を抜けない。どうにかしたいんだが……それも祈っておけば良かった。


「最近は、特に何もしてあげられてないけど……」

「いいよ、それでも。元気でいてくれれば、ね」

「元気って。病気になってたみたいじゃない」

「病気みたいなものだよ……」


 恋煩いってやつ、恵まれた者が罹患する贅沢な悩み。しかし縁佳は、言ってないのに顔を少ししかめる。


「島袋さんと一緒にしないでよ。私はそんなに乙女でもないの」

「そんなことっ、無いと思います……」


 まるで上司の機嫌を取りに行ってるようだけど、これは進んでやっている。縁佳はとても……かわいいし乙女だし、それは事実だし。でも、それをストレートに言ったら気持ち悪がられるだろうなぁ……。


 朝はあんなに肌寒かったけど、情報番組の言う通り、少しずつ春が兆してきた。まあ、縁佳が隣にいるせいで、胸が弾んで熱を帯びているだけかもしれない。やっと独り占めできたんだから、このままずっと見つからなくてもいいのに。そんな想いを唇に力を籠めて必死に隠しながら、公園のほうも捜索する。


「せっかくだし、もっと楽しい話しよう」

「楽しい話、かぁ」


 わざわざ話で盛り上げなくても、縁佳の腕が自分のそれにぶつかる度に、胸騒ぎが巻き起こる。立ち止まって、自然を愛でる姿を愛でる。そんなので、お腹いっぱいだった。



 ふと、頭上の桜の木に目が向く。日本人にとって特別な花だから、たとえつぼみであっても興味をそそられる。緑に色付いて立派に膨らんで、あと半月ぐらいで満開になる。そしたら屋台がたくさん並んで、花見酒に気を大きくした人たちがはしゃいで、そういう騒々しさが想像できる。


 普通はそうなる。けれど私は、陽気な失態の濫觴を想起してしまう。あの時、一人だけ咲いていた刑部を理解できなかった。決断を先延ばしにして、気付けば周りも咲き誇って、私だけがずっとつぼみのままで。それでも今なお、彼女の恋心を受け容れることができなくて。その上、仮初の友情に全てを賭けていた。反省しようにも、取り戻そうという気持ちで上書きされる。


 恋なんて、大切な部分を重ね合う心なんて、存在しなくていい。誰も恋しなければ、私は苦悩せずに生きていけるというのに。


「あっ、桜、咲いてますね、満開ですね」

「おあっごめん。楽しい話ね、楽しい……話……」


 上を向いて固まって……思いを馳せていたら、鏡花が訳の分からないことを言い始めた。何が見えてるのだろうか……。鏡花なら、私といると桜も阿って咲いてくれます!って、本気で信じていそうなものだ。その境地は……さすがに引いてしまう。


「楽しい話?」

「桜で布を染めるには、花じゃなくて枝とか樹皮を使うんだよー」

「それは知ってるけど……」


 その場しのぎの豆知識を披露したけど、己の浅学度合いが公開されただけだった。なんてことだ。


 まあ花見の下見でも、鏡花と散歩に来たわけでもなく、常葉を探している最中なのである。手分けしたら効率が良くなるけど、鏡花がそれを好むはずがないし、まずはこの道をまっすぐ捜索しよう。昂然と一歩を踏み出したら、心臓が止まりそうになる。


 ——見慣れたハーフツインの髪型が陽炎のように揺れる。時間は止まらない。少女は私と反発するように私から逃げて、春霞の中に溶けようとしている。


「おさか……べ……」


 名字なんて呼び慣れなくて、そもそもなんで名字で呼ぼうとしたのかも分からない。誰にも届いてないから、世界としては呼んだことにもなっていないだろう。


「あ!あっちに常葉お姉ちゃんがいる!」


 鏡花の声は雪崩のように到来して、彼女の視線の先を振り向かざるを得なくなる。さっきの私と同じで、桜のつぼみを愛でる常葉が本当に突っ立っていた。鏡花が腕を強く握って、そっちへ駆けていく。その波に抗うことはできない。選ばされたのか選んだのか、そんなことは関係なくて、私はようやく悔いだらけだけど諦めさせられた。


 春一番が退路を洗い流す。いや、刑部は別の世界に行ってしまった。だから、どんなにずるい手を使っても辿り着けない。物理的な距離が云々という次元ではない。


 芽吹いたばかりの桜の木の下で、私たちには何が芽生えて結実して枯れたのだろう。あの時と同じように、問題を先送りにして、罪を増やしたのだろうか。ははっ……乾いた笑いが零れ落ちそうになる。こんなに神妙になっちゃって、そこに刑部が立っていたというのも、ただの勘違いかもしれないのに、でも今更、一つ勘違いが増えたところで何も変わらないわけで。たとえ一時的でも、その時々で大切なものを大切にするべきで、それが私の二度の大きな過ちだった。そんな私ができる贖いは、ここで抗えないことに抗わないことだけ、鏡花に嚮導してもらうことだけだった。


「わぁー、探されたんだぞぉー」


 間の抜けた話し声に、鏡花と共に心の底から呆れてあげた。

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