第30話

「はぁ?だって、ありえないでしょ?あんたみたいなお荷物。ほんっと使えないしさ〜やっぱ騙したんでしょ?」


「そんなことするわけない」


「キャバクラでしか働けないとか、ほんっと、可哀想だよね〜?無能すぎ?あゆっておかしいもんね」


おかしい…


それは、母親にも言われた。


「…私、この間病院行って…」


「は?」


「検査したら、字が読めないのは私のせいじゃないって」


「なにそれ〜。バカじゃないの?もともと頭悪いからでしょ?頭おかしいってこと。わかる?」


「…私、もしかしたら、読めるようになるかもって、言われた」


「ないない!ありえないでしょーが!」


「本当だよ」


「まじ勘弁して。そんなの診断書の読み間違い。あ、読めないかー」


バカにされた。私はずっと友達だって、思ってたのに…


「…きみこに、契約書とか、書いてもらったりしたけどもう…」


「はは。なにそれ〜。そんなに読めるようになりたいの?」


「…うん」


「なれるわけないから。夢見ちゃって。結婚したとか言ってさー、あんたキャバクラでますます頭おかしくなったんじゃない?はーおかし!学校なんて行けないからねぇ〜働くしか脳がない…」


「こんにちは」


ふっと、誰か私たちの席にやってきた。


…コタローさんだ。なんで?

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