第21話

「宮本のなにがいいんだ」


「…私のこと、支えてくれます」


「それは、俺っす!あゆちゃんはしっかりしてて、かわいいし…」


「お前、宮本のことどんだけ知ってんだ」


「まだ、そんなに知らないです」


「兄貴!でもあゆちゃんは…」


「おい悟流。ホスト潰したろ?金回収できてんのか」


「もちろん」


「お前、いくら取られた」


「わからないです…けど、通帳見ればわかります」


「出せ」


「…は、はい」


あゆちゃんはどこか行った。すぐ戻ってきた。


「これ」


「この引き落としな。はぁ、てめえ相当金あるな。何に使う?」


「…わからない…」


「高飛びでもするか?」


「…しません」


「金取られても痛くも痒くもねぇってか」


「…すみません」


「兄貴、あゆちゃんをそんな責めないで…」


「いくら取られた?」


「…ごめんなさい」


「兄貴、なんでそこまでするんすか!あゆちゃん嫌がってるっすよ」


「宮本知ってんのか?」


「な、なんすか」


「文字が読めないんじゃねーのか?」


「…」


「知ってます。でもそれがなんなんなんすか?」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る