第20話

「宮本、俺が話したからって、すぐに結婚しようとするか?」


翌日。兄貴に連絡したら、すぐ店にやってきた。


「え、でも、あゆちゃんと話したんで…」


「はぁ…お前、そんな即決していいのか?キャバ嬢は今何してる」


「今日から、出勤っす」


「は?」


「ええと…。あ!ホストに薬盛られた!ほら、兄貴たちがなんとかしてくれたじゃないすか!」


「あー、悟流が話してたな。そいつだったのか。休ませてたやつは」


「あゆちゃん、ホストから金取られてるんすよ」


「いくらかわかれば、取り返せるぞ?」


「そうなんすか!?」


「営業できねぇようにしただけだ。店舗買い取ってたしな」


「へぇ」


「店閉めたらさっさとキャバ嬢のとこ行くぞ」


「はい!」


久しぶりのキャバクラ。ここちょっとしかいなかったな。クソ野郎って言われまくったし、すぐ異動になった。


「よお、悟流」


「おじちゃん。珍しいね」


兄貴の甥っ子だ。こんなに大きくなったんだな。


「こいつの女呼び出せ」


「は?それ誰」


「俺の元舎弟の宮本だ。キャバ嬢の名前はユアだ」


「え?あ、あぁ…。おい、天野あまの


「はい?」


若い男の子がやってきた。


「ユア呼べ」


「え、はぁ」


やる気ない返事したけど、すぐ店に行った。そして、すぐ連れてきてくれた。そのまま店に戻ったから忙しかったのかな。


「あゆちゃん」


「…え!どうしたの?」


キャバ嬢姿は初めて見た。すごくかわいいあゆちゃん。キラキラしてる。


「お前、宮本と結婚する気あるってな」


兄貴はソファーに座ってあゆちゃんを見てる。甥っ子も座ってる。俺は…もう辞めたから関係ないけど、下っ端だったし座れない。


「…どちら様?」


「俺の叔父だ」


甥っ子はちょっとだけ自慢げだ。


「…そ、それで私に何の用ですか?」


「宮本は、俺の息子みてぇなもんだ。てめぇ浮気してねぇだろうな」


「はい」

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