第16話

「わー、物溢れてる。部屋狭い」


「うん、汚いよね…」


長く住んでたのかな?って雰囲気。


「物多いけど、臭くはないね」


「いや、洗濯物とか洗ってないから…匂うかも。いつもまとめてやってて」


「うちの洗濯機で洗えばいいよ。引越したら?」


「へ」


「コタローさんがうち来てくれたら助かるなぁ」


「物、溢れるよ?」


「いらないものは捨てたら?」


「それを…なかなか、できなくて。昔、貧乏で…癖になってて」


「私、キャバ嬢だから!お金あるから。もう使わないものは捨てよう?手伝うよ」


「ありがとうあゆちゃん。でも、時間かかりそう」


「いいよ?仕事まだ休むから」


「体調よくない?」


「ううん。たまには休んでもいいんだから!コタローさんのお手伝いしたい」


「…ありがとう」


そんなわけで、翌日からスタート。お片付けは大得意な私は、コタローさんのお部屋のお片付けをする。完全にいらないもの、よくわからない微妙なもの、買えばいいものとか勝手にまとめて、コタローさんに見てもらう。


そして、わりと早くお引越しできた。よく見たらいらないものって、あるから。


「では、あゆちゃん。ここの部屋の家賃は?」


「教えませーん。私が支払います」


「え、でも」


「コタローさんは、私にご飯食べさせて下さい。お願いします」


「もちろん!」

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