鮎の部屋

第13話

「コタローさん、お仕事は何時から?」


「昼から…だからまだいい」


寝転がってるコタローさん、けっこう筋肉ある。刺青はなかった。


「私、休み。この間から。ホストに薬飲まされてお金とられちゃったから休めって」


「え!?」


コタローさん起き上がった。


「それ、もしかして、ヤバい連中?」


「わかんないけど…」


私も起きる。


「なにか、された…?」


「薬飲まされただけ」


「…身体見ていいすか?」


ん?後ろ向かされた。


「昨日も見たのに」


「いや、あゆちゃんの背中は見てなかったから…ちょっと触るね」


大きな手でなぞられる。ううっ、ゾクゾクしてくる。


「それじゃあ、お尻は見たほうがいい?」


「…一応、見ていい?」


「うん。はい」


自分からこんなポーズするとは思いもしなかった。


「…跡はなさそうだけど…」


「…コタローさん。…もっと、よく、見て」


お尻突き出してる私。


「あ、あゆちゃん…」


「コタローさんのせい。もっと触って…」


「え、ごめ…」


「したい」


「え…」


「勃たない?」


「で、でも…仕事前…だから…」


「嫌?」


「…あゆちゃん…その体勢、身体痛くない?」


「わかんない…でも、やって!」


「う、うん。じゃ、やってみてもいい?」


「うん!」


その後コタローさんはシャワーして、上がってから、うちからお店までの道のりについて教えた。もちろん口頭だ。


「うちからも近いけど、あゆちゃんのうちの方が近いんだね」


「そうみたい」


「それで、あゆちゃん。朝ごはんは?」


「食べないよー」

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