第2話

それから、あの人には会っていない。たぶん、ホストクラブみたいなとこだったかな…。だから、あれは私の夢だったのかも?見知らぬ人にお金あげちゃうとか、ありえないんだけど。


「お姉さん」


「…はい?」


昼間に買い物行こうとしてたら、チャラチャラした男に話しかけられた。はー、ナンパか。めんどくさ。


…あれ。


なんか、急にふわふわして…


気づいたらどこか移動してた。


「どんどん飲んでね」


どこだ?お店?なんで、お酒飲んでるんだ?


「いいねぇ〜」


今日は、仕事の日だったはず。

休みたくないのに…


「ほら、暗証番号」


ATMに、なんで?なにしてるの私。


「…」


声が出ないし、立ってるだけでもう、精一杯で…いや、座ろう。


「おい、暗証番号」


胸ぐら掴まれた。


「すみません。それ、彼氏ですか?」


誰かもう1人やってきて、ATM操作した。通帳とカード出してる。


「はぁ?お前誰だ」


雪見…?変な格好。着物?


「失礼します」


雪見の肩に急に担がれた。


「待て!この女金払ってないぞ」


「営業時間は?こんな昼間から?」


「ツケだ!」


「違法ですよ?暗証番号聞くなんて」


「てめーに関係ない」


「では、失礼します」


「おい!」


いきなり雪見はダッシュした。私を肩に担いでるのに。こんな力持ちだった?


「ユアさん、大丈夫ですか?」


どこかのベンチに降ろされたようだけど、眠くて、どうしようもない。


次に目が覚めた時は、職場のキャバクラにいた。


「…雪見」


「あ、起きましたね〜」


長椅子にタオル敷いただけの簡易ベットにいる。


「調子はいかがですか?」


「悪すぎる、水ちょうだい」


「はい」


雪見のくせに、私の世話しようって?とりあえず水をもらった。


「ユアさん、実は、俺…見張ってました」


「は?」

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