おかしい?

えいみ

ホスト

第1話

どうしてこんなとこいるんだっけ…


「かわいいねぇ〜。また遊びにおいでよ」


「…はぁ」


私、なにしてるんだろう。こんなところ、自分から行かないはずなのに。


「お金、今払う?」


請求書…?だと思う。数字だと思う、けど…


「財布、お金入ってる?」


「…ない」


「なら、ATM行こうか〜」


ATMに、知らない人と移動してる。すぐ到着して…なんでだろう、カバンあさられて通帳見られてる。でも、ふわふわしてなにも、わからない。


「お金持ちだね。仕事なにしてる?」


「キャバ嬢」


「へー?お金なにに使うの?」


「…なにって…」


ただ、できる仕事がこれだったから。それだけ。


「じゃあまたね」


…え、ここどこ?


仕方なく、タクシーを拾って帰った…。



「これ昨日の話なんだけど、ぼんやりした記憶でなーんかほぼ覚えてなくて」


こんなでたらめな話を、お客さんはよーく聞いてくれた。常連客の住職様だ。


「なるほど。ユアさんは、そのお店を覚えていますか?」


「なんにもわかんなくて。で、話した人の顔すらわからない」


「そうなんですか…それは困りましたね」


「家の帰り道だったのかも、覚えてない」


「そうですか。なにか飲みましょうか」


「…雪見ゆきみ、オーダー」


「はい!」


たまたまその辺にいた、ボーイの雪見を呼び出した。借金返済のためにこの店で働いている。


「私に飲み物ちょーだい」


「なにがいいですか?」


「一番高いやつに決まってる〜」


「はい」

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